ひらけ、東京!!

#5 はあちゅうさま :: おときた駿のあのひとに逢いたい

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ブログをはじめ、新聞から雑誌まで幅広いメディアに連載を持つ人気ブロガーで作家の“はあちゅう”こと伊藤春香さん。音喜多と同じく自らの言葉をWebで発信し続けるいまどきのオピニオンリーダーの目には、政治はどう映っているのでしょうか。

はあちゅう

はあちゅう/伊藤春香
(いとう はるか)

1986年神奈川県生まれ。慶應義塾大学在学中にブログを使って、「クリスマスまでに彼氏をつくる」「世界一周をタダでする」などの企画を行い、女子大生カリスマブロガーとして注目される。卒業後は、広告・PR業界で活躍するかたわら、「週末作家」として活動。現在は独立し専業作家となる。

音喜多(以下、音):今日は、よろしくお願いします。

はあちゅう(以下、は):よろしくお願いします。

:なんか、こうやって改まるとちょっと照れますね。(※音喜多とはあちゅうは、以前からブロガー仲間として交流がある)僕らの共通点としては、ブログがあるわけですが……。あ、独立おめでとうございます。

:ありがとうございます。フリーで食べていけるようになったのは、本当にブログのおかげですね。

:ブログは夢を叶える実現手帳ですね。ということで、きょうは、カリスマブロガーにして若い女性のオピニオンリーダーでもある、はあちゅうに、政治について話をうかがいたいと思います。

:大丈夫かなぁ。法学部政治学科卒だけど、政治は詳しくないから……。

:大丈夫。若い女性の等身大な意見をぶつけてください。

政治家が何をしているかわからない!

:まず、ざっくばらんに「政治」ってどんなイメージですか?投票には行きますか?

:選挙は行きますけど、誰に投票すればいいのかを確信が持てないというのが、正直なところですね。選挙のときは、ネットとかで「●●な候補者まとめ」とか「××政策に強い議員一覧」とかを見て判断材料にしたりするけれど、実際のところは、知り合いじゃないから、人間性まではわからないですし……。

:確かに。短い選挙期間だけじゃ、その人がどんな人かまではわからないですよね。なかなか、一般市民が日常生活で政治家とふれあうこともないですからね。この点は、どうしたらいいと思いますか?

:それこそ、音喜多さんみたいにブログで活動を発信したりすればいいと思います。みんなが政治に関心を持てない最大の理由って、政治家の人達が何をしているかわからないからだと思うんですよ。

:ごもっとも。政治家の僕ですら、同じ政治家の人が何をしているかわからないぐらいだし、それこそ有権者のみなさんは日頃から対面で接している訳じゃないから、わからなくて当然かもしれませんね。

:何をしているかわからないから、遠くに感じて、結果的に他人事になってしまうんじゃないでしょうか。有権者側ももっと興味を持つのもですけど、政治家側ももっと有権者に歩み寄ってもいいと思うんです。

:おっしゃる通りですね。

:例えば、政治家のHPって、一方的に主張が書いてあったり、何の写真かわからない写真がドーンと貼ってあって重かったりして、とりあえず作った感が漂う読ませる気がないものが多いと思うんです。もっと、読む側のことを考えてほしい。内容にしても、レイアウトにしても。

:確かに、Webをちゃんと使いこなせている人は少ないかもしれませんね。僕も含めて反省しないといけないところですね。

:絶対にもっと色々できると思うんですよ。例えば、HPには必ず、議員さんが「いま気になってることランキング」を掲示するとか。テーマは、なんでもいいと思うんです。それこそ「集団的自衛権 気になってるランキング」とかで、「1位 憲法の解釈的に無理があるかも」「2位 戦争に巻き込まれる可能性があるかも」とか、問題の要素や重要度をランキングで教えてくれたりとか。

:それおもしろいですね!

:テーマは何でもよくて、例えば「ラーメン」で「1位 味噌バターラーメンが値上がりした」とかから、バター不足の現状とその打開策について語ってくれてもいいし、「マンガ」をテーマにして「1位 進撃の巨人」「2位 寄生獣」とかあって、ヒットマンガと物価上昇指数の相関関係とかを語ってくれたら、興味わくと思うんですよ。

:ややこしい政治を、やわらかく伝えていくわけですね。

:そうです。トップニュースになっているから、なんとなくは知ってても、その問題の規模感や費用感、緊急性や国民への影響度といった部分は、全然わからないから、議員のみなさんがメッセンジャーになって、政治の動きの見せ方に工夫をしてほしいなと思います。

:メッセンジャー。なるほど。

:ややこしいからこそ、何が本当に大事なのかをわかるようにしてほしいです。そのうえで、その議員さんの活動もわかれば、尚更いいのかなって。

:僕もそう思います。

政治家の人間性がわからない!

:若い女性に、政治に興味を持ってもらうために、僕たち政治家は他にどんなことをすべきだと思いますか?

:難しい政治の世界を翻訳して教えてくれるメッセンジャーとしての役割もですが、あと気になるのは、その人の人間性ですね。

:人間性ですか。

:例えば、サイバーエージェントの藤田社長や元ライブドアの堀江さんのように、バックボーンがわかる人だと、ビジョンや考え方って共感しやすいと思うんですね。でも、表面的に知っただけだと、発言や発想の根拠となる部分が見えないから、共感したり、応援したりできませんよね。

:どこまで本気なのかもわかりませんからね。

:その人の生き様というか人生というか、人間模様やドラマを共有することで、人は共感していくものだと思うから、それを垣間見られるアプローチが必要だと思うんですよ。それこそ、ブログでもツイッターでもメルマガでも何でもいいと思いますけど、その人の日常をのぞける手段を、もっと気軽に用意してもいいと思います。

:なるほど。ドラマの共有ですか。

:AKBの選抜選挙だってそうじゃないですか。どんな子がいて、どんなバックボーンがあってって、それぞれの人間ドラマがわかるから、そのなかから応援したいメンバーを決められるわけであって。何者か分からない人は応援できないですよ。

:確かに。衆議院議員なんて、AKBのメディア選抜の20倍以上いるのに、選挙は1/20も盛り上がってないですもんね。

:そうですよ。それこそ選挙のときは、その人の活動とバックボーンが見える映像をYOUTUBEとかにアップすればいいんですよ。立候補者全員分の。

:選挙管理委員会主導で、立候補者全員に、格闘技のあおりVTRみたいな紹介映像があったら、おもしろいですね。

:ぜひ、まずは音喜多さんからお願いします。

:え~、僕ですか。なんだろう?「王子の水道屋の息子、二度目の出陣!」とか?そういうキャッチコピーになるんですかね(笑)

:そうそう。「毎日つづったブログは、この国へのラブレター」とか(笑)

:検討します(笑)

政治家こそ、毎日ブログを書こう!

:政治家に求められるのは、メッセンジャーとしての機能。そして、そのメッセンジャーは人間性が大事で、有権者に人間性を理解してもらうための手段として、Webは使った方がいいというのがここまでの話ですが、逆に何か気になることはありますか?

:今年、1年に100回以上も温泉にカラ出張をしたのが発覚して話題になった議員さんがいましたけれど、そもそも議員の人って、「年に●●回、出勤しなければならない」とか、そうゆう出勤日数のしばりはないんですか?

:一応、ありますよ。僕の場合は、年に40回ぐらい、議会に出席しないとダメ。(※1)

:えっ?それ以外は休んでてもいいんですか?

:まぁそうですけど、でもそこは、はあちゅうのようなフリーランスの人と同じで、何もしなかったら何も生まれないので、政策の勉強をしたり、陳情を聞いたり、視察に行って行政に報告したりとか色々やることはあって、正直、真面目にやればやるほど、時間もお金も足りない仕事だと思います。

:なるほど。しかも、政治家って公人だから、サボってて何かあったらスキャンダルとして取り上げられちゃいますもんね。行動もかなり制限されるんじゃないんですか?

:そうですね。選挙区内ではちょっとした有名人だから、変なことはできないですよね。いつ誰に見られているかわからないので。

:例えば何かありますか?

:ん~、コンビニで立ち読みとか?

:そんな些細なこともですか?

:意識としては、それぐらいのことから気をつけてますね。だって、もし、自分だったら、選んだ政治家がちゃんとしてなかったら嫌ですもん。

:……大変ですね。お金も貯まらないし、行動も制限されて、これじゃ受かり損だって思ったりしたことありせんか?

:でも、それがみんなの代表になるってことだし、間違いなくやりがいはありますからね。損したと思ったことはないですよ。ただ、辛いと感じたことがないと言ったら嘘になりますけど。

:ブログに愚痴を書きたくなったりしませんか?

:たまにありますよ(笑)自分の善意が勘違いされたり、いわれのない脅迫文が来たりするとさすがに。

:そんなことも!お話を聞いていると、政治家になるデメリットってすごく大きい気がしてきました。たまに、前職が弁護士や投資銀行といった高収入職の人もいたりしますよね?そっちの方が全然稼げるし、プライベートをさらす必要もないのに、どうしてみなさん政治家を目指すんでしょうか?

:動機は人それぞれだと思いますけど、みんな根底には「世の中を良くしたい」って気持ちがあるんじゃないかと思います。

:そういう人がいるって、本当にありがたいことですよね。

:でも、議員になって思ったのは、見るとなるとじゃ大違いだなってことですね。選挙のときからはじまって現在に至るまで、至る所で一般常識では考えられない慣習や慣例に遭遇してきましたから。

:そうなんですね。例えばどんな?

:例えば、議会で質問する内容は、事前に全文を提出しないといけなくて、議会では順番が来たらそれを読むだけとか。

:儀式的ですね。

:そうなんです。でも、一応、質問なので、聞き取りやすいように音読の練習をしたりしますよ。あと、当選したあと議員バッヂをもらうんだけど、失くすと大問題だから、普段は1つ5千円のレプリカをしているとか。

:なるほどー。そういった日常も全部公開しちゃえば、政治家が何を考え、何をしているかわかるし、そもそも一般の人は知らないことばかりだからおもしろいのに……。音喜多さん以外の人に、毎日ブログを書いている人はいないんですか?

:う~ん。毎日だと、ちょっと思い当たらないですね。

:やっぱり、政治家のみなさんは、毎日、ブログを書くべきですね!そうすれば、ネタ作りしないといけないから、サボる人もいなくなるだろうし、よくわからないお金の悪用も減るんじゃないですか。

:僕も続けられるように頑張ります。


はあちゅうに『議員徽章』をみせるおときた

政治家の適正年収は、3000万円!?

:音喜多さんって、ブログで給与公開されてますけど、都議って年収1700万円なんですよね?ちょっと少なくないですか?

:正直、全然残らないですね……。

:政治家の人達って、頭が良くて、バイタリティもあって、使命感もあって、自分でビジネスを起こせば成功しそうな人達が多いと思うんですね。そんな人たちが、見ず知らずの有権者のために、公人になって身を粉にして頑張ってくれるのなら、それに見合う対価を支払ってもいいんじゃないのかなって。それこそ、3000万円ぐらい。実際、どうなんですか?割に合わないんじゃないですか?

:お金という面では、そうかもしれないですね。ブログで給与公開しているから、身近に年収を知っている人も多くて、「年収1700万円もあっていいですね~」って言われるけど、実状としては、全然お金が無いです。

:そんなに、何にお金を使うんですか?

:わかりやすいところで言うと、秘書の給料や事務所の家賃といった固定費にはじまって、視察に行く際の交通費や個人的に行っているビッグデータ分析など、議員としてやりたいことにかかるお金もけっこうあったりするんです。今年、色々と注目された政務活動費(※2)でまかなえる部分もあるけれど、けっこうポケットマネーでの持ち出しも多いですよ。

:音喜多さんはそういった情報もブログで公開してますけど、他の議員さんも、どんどん公開していくべきですよね。何にお金を使ったかで、その人の活動や考え方が見えてくる部分もあるだろうし……。

:お金の使い方は、政治活動に直結するから、その議員の活動方針も見えてきていいかもしれませんね。

どうしたら音喜多は結婚できる?

(夜景の見えるカウンター席に移動して)

:最後の質問になりますが、どうしたら、僕は結婚できると思いますか?

:これまでのブログを全部読んでもらって、それでもいいって人と結婚するのがいいと思います。

:確かに!でも、もう10年近くブログやってるから、昔のブログとかけっこう若気の至り的な痛さがあるし、そもそも量が多いとかで挫折されても嫌だなぁ。

:じゃあ、ブログ読者を対象に「音喜多の嫁選挙」を実施したりとかは?立候補制で、音喜多さんの1票で決まる、みたいな。

:それいいですね!でも、立候補者いるかな……。

:じゃあ、その立候補者探しからですね。頑張ってください!

:う~ん。それじゃ、余計遠ざかっているだけじゃ……。

:大丈夫ですよ。ブログで呼びかけましょう!

:ということを言われたとブログに書いて、まずは反響を見てみます……。

おときたの感想

総選挙直前に行われた本対談、はあちゅうさんは新聞を始め、各種のメディアで若者たちの代表として選挙についての意見を述べていました。「著名・博識だけれども、政治には興味がわかない」というオピニオン・リーダーたちの率直な意見に耳を傾け、行動していくことが政治家として大切だと思いました。ブロガーとしても遥か高みにいるはあちゅうを目指して頑張ります!

※1 本会議・委員会
最低限、議会に行かなければならない本会議・委員会の回数は年40回程度。
※2 政務活動費
政務活動費とは、地方議会の議員に給与とは別に支給される活動費。政治活動に必要な調査などの経費に充当することができ、年間420万円まで使用することができる。その内訳および領収書は、一般公開している。

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おときた駿

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 33歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。

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