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「リアルタイムのTwitterはダメで、ブログで後からはOK」という、謎な東京都審議会の情報発信ルール

都議会の話

都議会本会議、一般質問日の本日は様々な議員から
多くの質問が飛び交いましたが、本日も注目の質疑を一つピックアップ。

民主党のあさの克彦議員は、
東京都の審議会・協議会の情報公開について追及しておりました。

スクリーンショット 2015-06-17 23.53.49

以前に東京都青少年問題協議会の委員である
仁藤夢乃さんも警鐘を鳴らしていた件ですが、

【報告】東京都青少年問題協議会・実態傍聴不可から、情報公開へ
http://ameblo.jp/colabo-yumeno/entry-12007219995.html

議会に上げる前に事実上、行政側の政策を決定する重要な審議会・協議会ですが、
東京都は決してその会議の情報公開に積極的とは言えません

上記のブログ記事にあるように、会議は公開・傍聴可能となっているものの、
その会議日程や傍聴方法を都民が知るすべがなく、事実上不可能な状態になっていました。

仁藤委員などの指摘により改善が見られる審議会もありますが、
現在のところ包括的に東京都が行っている審議会・協議会のスケジュールを
俯瞰して見られる仕組みがなく、都民にとって極めてわかりづらい状態です。

…あ、当然のことながらこれらの会議は、ネット中継など行われておりません
都議会においても本会議・予算特別委員会を除き委員会はまったくネット中継されませんので、
この辺りも含めて東京都の情報公開はかなり遅れていると言えるでしょう。

さらに質問者のあさの議員によると、東京都の情報公開のルールでは

「審議会などの会議は、必要に応じて公開することができる」

となっているそうで、これは「必要に応じて」ではなく「原則公開」とし、
やむを得ない場合のみ非公開とするべきではないか
と、まっとうな指摘を行っていました。
これに対する東京都側の答弁は

「会議の内容によっては個人情報・会社情報などが俎上に上がる可能性もあり、
 公開するか否かは審議会の性質や内容によって都度判断する必要がある(要約)」

というもので、慎重といえば聞こえはいいですが、
まったく積極的に公開する気なしというゼロ回答です…。

だから「原則公開」にして、そういうやむを得ない場合のみ非公開に
すればいいのに…というあさの議員の指摘は、個人的には非常に正しいものだと思います。

さらにもう一つ、あさの議員が傍聴したある審議会では、
出席した委員から

「この会議の内容はリアルタイムでTwitterで情報発信してよいのか?」

との確認があったそうです。
その際、

「リアルタイムはダメだけれど、終わった後に発信するのはOK」

というルールがその場で取り決められたとのこと。東京都の審議会・協議会では
こうした情報発信にガイドラインがなく、委員が確認の発言をしなければこの審議会でも
曖昧なルールで情報発信がなされた、あるいはなされなかった不備を指摘されていました。

これって結構、謎の線引ですよね…

とにかく行政側は原則として、「情報を外に出したくない」と思っています。
終わった後、しばらくすれば議事録が出るからそれでいいではないかと。

しかしながら議事録では不都合なところは修正されますし、
現場のホットな議論の様子は伝わってきません。何より東京都の場合、
審議会の議事録が出てくるのは二ヶ月後・三ヶ月後ということもざらにあります。

情報を発信する側としても、これは私もよくやるからわかるのですが、
会議が終わった後に腰を据えてブログにまとめなおして発信するのは、
正直いってなかなか骨が折れるもの
です。

「まあ、いっか…」

といって、そのまま放置されてしまわれがちです。
(それが審議会が、「後からブログでOK」と誘導する狙いかも?!)

その点、Twitterなら自分へのメモ代わりにもなりますし、
時系列で・リアルタイムでその場の議論を、非常に生の状態で届けることができます。

実際、とある審議会では熱心にTwitterで発信してくださる委員がいるのですが、
議事録が出るまでの間に私自身も大いに参考になっていますし、
多くの都民の方が参考にしていることも知っています。

情報をなるべくクローズにしておきたい行政側から見れば、
こんなに恐ろしいツールもないのかもしれませんが…。

しかしこういう「なるべく情報を表に出さない、触れさせない」って、
今の情報化時代にまったくマッチしない考え方だと思います。

逆に隠しておいたほうが後で問題が発覚した時に事が大きくなるし、
常にオープンにしておけば間違いも早く指摘・発見することができます。

「傍聴OK、議事録も公開」

という審議会であればその場であろうが後であろうが、
情報発信はすべて可とするべきだと思いますが、いかがでしょうか?

同様のスタンスから質問をされたあさの議員に対する行政側の答弁は
やはり前向きなものではありませんでしたけども、志を同じくする仲間たちと
古い体質の行政・政界の情報をオープンにするべく引き続き政策提言を続けて参ります。

順次また、質問の議論は紹介していきますね。
それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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