もっと、新しい日本をつくろう

「情報公開」と「質問」について考えたコト

都議会の話

先週末で第三回定例会が閉会したので、
閉会中の議員はロング・バケーションだ!

…なわけもなく、

上田都議は7つも文書質問を提出したため、各局との調整に追われ、
塩村都議はライフワークである動物愛護活動の審議会準備に注力し、
両角都議は地域課題解決のために精力的に地元を回っているなど

皆さん、開会中と変わらぬ熱意で日々の政治活動を行っています。
私の方も決算特別委員会が本格的に始まり、各局から追加で配られた
決算説明書に目を通して、予算執行率や行政効果などについて精査中です。

そんな中、ちょっと気になるやりとりがありました。
とある局に質問して資料と数字を出してもらったのですが、
打ち合わせ終了間際にこう説明されました。

「こちらのデータは、市民の方も情報公開制度を使って開示要求ができます」
「ですので、先生が公表してしまうと不公平になってしまうので、
 取り扱いには注意をして下さい」

その時は「そうですねー」と納得したのですが、
よく考えるとなんか疑問に思えてきました。

「情報公開制度」とは、行政が作成した公文書やデータなどは
市民から適切な要求があれば公開する、という制度です。

ただし、これには一定の手数料がかかります。
(ここが今回の「不公平」のポイント)

参考:情報公開の窓
「情報公開・個人情報保護制度」
http://www.metro.tokyo.jp/POLICY/JOHO/index.htm

つまり行政のロジックとしては、

これは公開請求すれば手に入る情報である

でも手に入れるには、お金(手数料)がかかる

議員が単独で公開してしまうと、手数料を払わないで
情報にアクセスできてしまう人がでるので、制度上ダメ!
(お金を払わなくて見れる人と、お金を払って見る人が発生する)

ということですね。

うーん、理屈としては正しいと思う反面、
それじゃ議員って何のために存在するの?とも感じてしまいます。
こういうのを、市民に代わって追求・公開していくのが仕事でしょう!

…と、ここまで考えながら書いててほぼ自己完結したのですが、
だから議員って「質問にこだわる」んですね!

つまり、こうした行政の情報を
公平に白日の元に晒すためには、

・議会や委員会の場で「質問」し

・関係当局から情報や数字を引き出して

・それを「議事録」に残すことで公平に周知する

というフローが必要であると。

昔はネットで自由に発信や記録なんかできない時代でしたから、
情報を引き出して記録に残すだけでも大いなる功績だったのかもしれません。

議会や委員会の過去ログを読んでいて

「なんでこんなこと、わざわざここで聞くんだろ?
 担当者呼んで事前に聞いとけば一発じゃん」

と思うことが多々あったのですが、
先輩議員の皆さまにはこういう深慮遠謀があったわけです。

裏を返せば、議員だけが知り得た情報を
勝手にバンバン情報公開しちゃ不味いってことなんですよね。
(いや、もちろんある程度考えて発信してますけど。今までも)

うーん、とっても回りくどい気はしますが、
執行機関が持っている「情報」というものの価値と重要性を考えると、
やはりそれくらいの慎重性は必要なのかもしれませんね。。

ただ、やはり市民目線でおかしなことには、
民意の負託を受けた議員として突っ込んで発信しなければならないことも
あると思いますので、そこはケース・バイ・ケースもありうるのかなあ。

以上、本日の内容はすべて
自分の頭の中で自己完結した結論でございますので

「そういうことじゃないよ!」

という部分がございましたら、
先輩議員、役人の方々、有識者の皆さまからのご指摘をお待ちしております。

なんだか、「右も左もわからない」ということを
文字通りに痛感している毎日ですが、一つひとつ学びながら
減速ナシで突っ込んでいきます!それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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