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20人で5,000万円!舛添都知事パリ・ロンドン出張は「豪華大名旅行」か?

都議会の話, ,

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
都議会では予算委員会が佳境を迎えておりますが、そこでの資料に記載されていた
舛添都知事の「都市外交」の出張費が大きな話題になっています。

舛添都知事のロンドン・パリ出張費 20人で5000万円なり
http://www.sankei.com/politics/news/160308/plt1603080002-n1.html

160307_chiji_yosann
(写真は知事の部屋より)

こちら、私も来週の総務委員会で取り上げるつもりですが、
現時点での所感などを書いておきたいと思います。
まず報道内容やネットでの反響を見ますと、

「舛添知事になって、法外な費用の海外視察・出張が増えた!」

というニュアンスが見受けられるものの、これは実は正しくありません。
舛添知事を擁護するわけではありませんが、例えば歴代知事においても、
同じように行き先が欧州の視察では以下の様な出費が記録されています。

【石原知事時代】

行き先:ベルリンおよびポーランド
日程:11日間(平成21年8月13日~24日)
出張人数:12名
総経費:約4.800万円

※石原知事の部屋 過去データより
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/ARC/20121031/KAIGAI/index.htm

【猪瀬知事時代】

行き先:ローザンヌ(スイス)
日程:5日間(平成25年7月1日~5日)
出張人数:9名
総経費:約2,550万円

※猪瀬知事の部屋 過去データより
http://www.metro.tokyo.jp/GOVERNOR/ARC/20131224/KAIGAI/index.htm

となっておりまして、今回の20名で5泊7日・約5,000万円の視察と、
それほど乖離のない出費をしていると言えるのではないでしょうか。
決して舛添知事の出張費が、突出して高いというわけではなさそうです。

とはいえ勿論、前例通りだから問題ないというわけではありません。
世間一般の認識と比べて非常に高額な出張費がかかっているのは、
都庁そのものの体質・慣習に原因がありそうです。

そこで私が注目しているのが、出張人数と役割分担
特に今回の舛添知事の20人という出張視察団は、
過去データを見た限りで最大規模です。

担当局に問い合わせて視察に出向いた方々の
部署名・役職名のリストを精査したところ、同じ部署から複数名(最大6名!)、
似たような役職・肩書のメンバーが多く名を連ねている
ことが判明しました。

これには2つ、理由があると考えられます。

1. 行政の厳格な縦割り体制

行政というのは、良くも悪くも縦割りです。
ココからココまではうちの部署の仕事だけど、
他のことは一切知らないよ、という分業体制になりがちです。

仕事の内容はもちろん、担当エリアによって分けられることもあります。
となると、視察のテーマが増えればそれだけ行く部署の該当者の数が増加し、
さらにパリ・ロンドンの二箇所となれば2倍になる可能性があるわけです。

今回も政策企画局の外務部から6名もの随行員がアサインされていますが、
これはやはりパリ・ロンドンでそれぞれ担当が異なることが理由のようです。

2. 偉い人とヒラがセットという慣習

これは行政だけでなく、民間でも多いケースだと思うのですが…。
だいたい視察・出張って

・偉い人
・ふつうの人(ヒラ)

がセットになったりしますよね。
偉い人は夜の会合に出て、ヒラはその間にレポートを書くみたいな。
そういえば前職(仏系企業)に勤めていた際、

「日本人はゾロゾロと海外にやってくるが、あれは何のためなんだい?
 その場では何も決まらないんだから、偉い人はなんのために来るの?」

と言われ、まったくその通りだなーと思ったことがあります。
意思決定が必要ならば責任者が行けば事足りますし、
そうでないなら実務者のみが行った方が効率的
です。

都の海外出張でも、実務者は東京へのリアルタイム報告などを強いられ、
死ぬほどつらい思いをするようですが、こうした業務フローを見なおして
効率化できる可能性は充分にあります。

現地での通訳や警備の手配など、民間企業の出張に比べれば
経費がかさむことは理解できるとしても、それでも原資は都民の税金。
メンバーや業務内容を徹底的に見なおして、少しでもコストを下げることは必要です。

舛添都知事の次年度の海外出張予算は約3億3,500万円。
石原都政の最盛期(平成21年)ですら年間で1億5,000万円ですから、
その頻度・規模の大きさがわかるというもの。

こうした海外出張が最大限の効率化がされるよう、
しっかりと政策提言を進めていきたいと思います。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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