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与党になるとショボくなる?政策に具体性・方法論のある政党はどこか-衆院選2014 各党公約ランキング!その3-

選挙の話

投票日まで残すところ、あと4日となりました。投票の準備はお済みでしょうか?
本日も各党の政策比較企画の第三弾として、

「政策に具体性・方法論のある政党はどこか」

をランキング形式で発表していきたいと思います!

写真 1

【過去記事】
「支出を抑制する」「痛みを取る」政策を掲げているのはどこか?-衆院選2014 各党公約ランキング!その1-
時間がない人は、政策の「はじめの3つ」を見よう!-衆院選2014 各党公約ランキング!その2-

そもそも政治家・政党が「政策を実現する」とした場合、
その手段・方法は概ね限られています。つまり、

・予算をつける
・法律や制度、仕組み(ルール)を変える

のどちらかです。
このどちらにも言及がない場合、その政策モドキは単なるスローガンと言えるわけですね。
上記にさらに具体的な数値目標や、期限などが加わるとなお◎です。

それと基本的に、与党の政策は具体性に欠けることが多くなります。
なぜなら、約束するとやらなきゃいけないから、という身もフタもない理由によるものです。

野党なら具体的な方法を掲げて、
それに数値目標や期限まで設けて提示しても、

「与党が反対したからできませんでした!キリッ」

というのが許されるけど、
与党だったらそういう言い訳は許されず実現義務が生じてしまい、
できなかった場合に徹底的に叩かれて支持率が落ちるのが嫌、というわけですね。

…まあそれもこれも、「マニフェスト選挙」とやらを掲げて、
色々と夢を持たせた後に何一つ実現しなかった某党が悪しき前例を作ったとも言えますが。。

そんなわけで、与党の順位はご想像の通りになるかと思いますが、
そのあたりは差っ引いてご覧いただければ幸いです。
では、いってみましょう!

■第一位:維新の党、次世代の党

別にこの両党の回し者ではないんですけどね!
まず維新。純粋にこの切り口で政策を見ていくと、


政府関係機関の保有株式を原則すべて売却する。総額約25兆円以上の財源。

高齢化で増える相続資産への課税ベースを拡大、年金目的特別相続税を創設する。
相続金融資産20兆円、税率10%と仮定すれば税収2兆円。

など、各党の中でもっとも公約の中に数値目標が多いです。
また、


首相公選制を導入する(憲法67条改正)

道州制導入後、一院制国会を実現する(憲法42条改正)

等、どこをなんのために変えるのか明記されている部分があるのもGood
ちなみに政策一つ一つの長さも適切なので、読んでて苦痛にならない分量となっております。
政権与党を狙うなら、もう少し政策集にボリュームが欲しいところではありますが。

次世代の党も、


平時の領域警備や武力攻撃に至らないグレーゾーン事態に関する法整備
…★領域警備法案

生活保護制度を日本人に限定し、困窮した外国人には別の制度を設ける
…★生活保護法の一部を改正する法律案

など、法律案まで明記されていたり、
全体的に変えていく制度や仕組みがしっかりと記載されています。

こちらも政策の量としてはかなり物足りないですが、好意的に解釈すれば、
スローガン的なものをすべて省いたからかもしれません。

■第三位:共産党、公明党

続いてこの二党が続きます。
共産党はところどころに

「ブラック企業、ブラックバイトをなくす」

なんていう根性論スローガンを掲げてくるものの(どうやって…?)、
「国の中小企業予算を1兆円に増額」等、野党ならではの思いきった政策を提言してきます。
いいですねえ、この大企業と富裕層を全力で目の敵にする感じが。ぜひやめていただきたい。

公明党の政策は「○○事業の新設・拡充」「××の推進・強化(=予算の拡充)」
ばかりですが、それなりに具体的なことを書いている印象です。
…しかし、


「ものづくり・商業・サービス補助金」により(中略)
成長分野の生産性向上に向けた様々なビジネスのイノベーションを加速化します。

地方自治体が実施する人材の流出防止や定着促進などの取組を支援するための新たな交付金を設置

等々、公明党の政策が全部実現したら、この国の国家予算はいくらになるんでしょうか?
ぜひどなたかに試算をしていただきたい。

■第五位:社民党、生活の党

ここから先は下位打線です。

社民党はスローガンになってしまっているのと、
法制化など具体案まで明示してある政策が半々くらいかなーという印象。
なお、公約のところどころに、

「女性の活躍をアベノミクスの手段にされてはたまりません」

など、感情丸出しの枕詞があるのがなんとも味わい深いです。

生活の党は、それなりに政策に方法論が明記してあるものの、
いかんせん全体的な量が少なすぎて評価をしかねるというのが率直なところです。
一応、マイナス要素が少ないので、この順位に置いておきます。

■第7位:自民党

はい、というわけで自民党はここで登場です。
最大与党の政策が抽象的になるのは冒頭に述べた通りですが、


農協改革等については(中略)議論を深め、着実に推進します。

この2年間で農業・雇用・医療・エネルギー等、あらゆる岩盤規制を打ち抜いていきます。

等々、やりたくないことに具体性は意地でも出さないという強い意思を感じます。
ほんと、こんなのばっかりです…(第一回の記事も参照。社会保障分野は特にひどい)

多くの人が「自民党は、野党時代の政策が一番キレがあって良かった」
と言っていますが、私も心からそう思います。これが現実、か。。

■最下位:民主党

個別に見れば、もちろん光る政策もあるんですけどね。あるんですがっ!
全体的に曖昧模糊としたスローガンが多いのに加えて、

「法人実効税率は、適切な代替財源が確保できるのであれば引き下げます

という一文が私の怒髪天を直撃したため、最下位の称号をプレゼントします。
その財源は誰が探すんだよという一億総突っ込み待ったなし。「あれば」ってアナタ…

数値目標や起源を定めた「マニフェスト選挙」を掲げていた政党も今は昔。
与党経験が逆にトラウマになっちゃったんでしょうか。野党第一党は確実視されるものの、
議席が伸び悩むのも仕方なしといったところです。

以上、「政策に具体性・方法論のある政党はどこか」ランキングでした!
投票の参考にしていただきつつ、ぜひ皆さまも政策集に目を通してみてください。
すっごく煮えきらなくてイライラすると思います(苦笑)。

引き続き、衆院選が終わるまでは国政情報を中心にブログを更新していきます。
それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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