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いま話題の「スマ保」とはなんぞや?

政策, 都議会の話

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本日は保育支援課長にお越しいただき、

「小規模保育整備促進支援事業」
通称「東京スマート保育」
略称「スマ保」

のレクチャーを受けて参りました。


ちなみに「レクチャー」とは、議員が役人の方から
施策や議案について概要説明を受けることを言います。

待機児童の減少に向けて東京都が打ち出した
画期的な小規模保育への支援策と言われる

「東京スマート保育」

ですが、なんとなく漠然と

「あー、なんか東京都が小規模保育を支援してくれるんでしょ?
 じゃあたくさん小さい保育所作ればいいじゃん!」

みたいなイメージが先行してますので、
どんなものかについてわかりやすい解説を試みたいと思います。

そもそもの大きな動きとしては、
国政において平成24年8月に

「子ども・子育て関連三法」

が成立したことに始まります。
子育て支援への各種制度の導入とともに
1兆円もの予算が投入される、画期的な子育て支援法案です。

ただ法案が成立したとはいえ、各制度の詳細を詰めて
実際に本格施行されるのは平成27年4月から。
待機児童待ったなしの状況で、2年間の空白期間があります。

そこで、東京都がこの2年間の空白を埋めるべく、実施予定の各種制度の中でもポテンシャルの高い
小規模保育」に注目し、国の補助制度の運用が始まるまで独自に基礎自治体(区市町村)を
サポートしようと始まった
のが、この東京スマート保育なのですね。

具体的には、これまで国から一切補助のなかった6~19人の小規模保育施設の開設や運用にあたり、
開設準備費(施設の建設費や改修費)については東京都が1500万円まで全額負担、
貸借料や子ども一人あたりの運営費については区市町村と折半で一定額まで補助するものです。

ここで注意しなければいけないのは、
あくまで東京都は財政的に区市町村をサポートするのであって、
実際に保育事業を運用・選別していくのは区市町村である点です。

東京都が「補助の対象とするのはこれですよ」と明示しているのは
以下の条件のみになります。

対象児童:0歳~2歳
定員:6人以上19人以下
基準:区市町村が規定

国が規定する「認可保育所」や
東京都が規定する「認証保育所」には

「保育士が子ども一人あたり○○名以上!」
「施設の広さは子ども一人あたり○○平米以上!」

などの規定が細かく決まっておりますが、
小規模保育はこういった細かい規定が(現時点では)ないところがポイントです。

つまり民間委託するにせよ、自治体が自ら運営するにせよ、
その小規模保育の施設規模やスタッフ数などは区市町村が判断できるわけですね。

これは「柔軟に保育施設を増やす」という観点からは非常にプラスになりえますが、
「保育の質を維持する」ということを考えると不安が残ることになります。

このため、自分たちで基準を決めることに踏み切れない区市町村は
「ちょっと様子を見よう…」と小規模保育の導入に二の足を踏んでいるケースもあるようです。

区市町村から見ると、自分たちで基準を決められることはありがたい反面、
その事業主が果たして適切な「保育の質」を保てるかどうかについて
自分たちで責任を負わなければならないわけです。

「そんな基準、自分たちで判断できないよ!国が基準を定めてくれ!」

という声も多いらしく、国が小規模保育について
支援を始めるのは前述のように平成27年4月ですが、

「小規模保育施設の認可基準」

については先行して議論を進めており、
まもなく正式決定をするとのこと。

まあ、確かに自分たちが基準を決められるからといって
たくさんの小規模保育施設を導入した後、国から

「『小規模保育施設』の認可基準が決まったので、
 この基準以下の施設は改善してください」

とか言われてはたまったものではないので、
国の決定を待ちたい気持ちもわかります。

が、せっかく都が先行して、基礎自治体(区市町村)の意思のもと支援できるシステムを
整えているのですがら、各自治体から積極的な実施・提案が上がってほしいものです。

まとめると、「スマート保育」の要点は以下の通りです。


国の本格的な支援制度が始まる平成27年4月までの2年間の間、
区市町村が子育て施設を増やせるように東京都が先行的に財政面からサポートする
画期的な子育て(小規模保育)支援政策である。


小規模保育施設を実際に運営するなり、民間委託するなりして
作る(選別する)のはあくまで区市町村であり、
東京都はそれをサポートする立場に過ぎない。


このため、自分たちで作る・選別することに慎重な
区市町村は様子を見ている段階であり、要請を受けて国が
「小規模保育」の認可基準を先行して作成中である。


とはいえ、「認可基準」は職員数・資格要件と給食についてのみであり、
施設規模などは参酌(参考)基準。参入業者の実績なども含めて、
最終的な判断はやはり区市町村となる

私は待機児童の解消のために民間サービスの参入を
積極的に推し進める立場なのですが、最後にその参入可否は
国の基準を鑑みながら基礎自治体(区市町村)が決めるわけですね。

この選定に関しては、東京都は介入する立場ではないようです…。

「小規模保育」はこれまでに比べて格段に新規参入がしやすい基準ですから、
基礎自治体がこれまで以上に民間業者へも門戸を開き施設の数が増えるよう
区市町村の担当者・議員とともに連携を取って進めていきたいと思います。

うーむ、長くなりました。その上わかりづらい。苦笑
それでは、また次回!

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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