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民主主義はみんなで予算をまとめることで、政治とは「再配分」をすることである。

日々のこと,

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
Facebookのタイムラインにこんな記事が流れてきたのですが、

民主主義って何だ?みんなで予算をまとめることだ
http://agora-web.jp/archives/1660292.html

(前略)さらに国民から強制徴収した税には限りがある。この制限が実に大きい。税収の範囲におさまるように「予算に反映する意見」「しない意見」をシビアに判断していかないといけない。八方美人にふるまって税収を大きく逸脱し、国債だけ増えていくというのでは本末転倒だ。

民主主義とは最大多数の人が納得する予算をまとめること。意見を言うだけの人ではなく、責任を持って予算をまとめようとする人にこそスポットライトが当たり、みんながそこに向かっていかなければ、この国の民主主義はスタート地点にすら立てない。

水谷翔太
大阪市 天王寺区長

水谷さん、歳下なんですよねえ…(汗)。
時々読む文章が立派すぎて、自分を恥じ入るばかりです。

そして東京都では現在、まさにその「予算」組み立ての真っ最中。

東京都15年度予算案、都市外交に基金80億円 水素エネ拡大
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO79381610W4A101C1L83000/

各局からの予算要求総額は、6兆9,785億円(前年比0.4%増)。
少し予算の作り方について説明しますと、これはあくまで東京都各部署から
リクエストが出された「要求」の段階に過ぎません。

ここから予算を司る財務局(国で言うところの財務省)が
知事とともにこの要求内容を精査し、過不足を修正して色を付けて、
年明けに予算原案が発表されて議会に諮られます。

しかし議会に図られる前の今の期間が実は、民意の代表者である議員たちの腕の見せどころです。
都議会議員たちも各局からの「予算要求」を聴取し、

「この予算は重要だから、削られるわけにはいかないな」
「ココは金額が過剰で、不適正ではないか?」
「昨年実績に鑑みて、この部分は修正するべきだ」

等の見解をまとめ、知事あてに「予算要望書」として提出するのです。
…まあその要望が採用されるのは残念ながら、大政党・大会派のみという説もありますが、
それでも予算決定のプロセスに議員が関わるというのは非常に重要な手続きなのです。

なぜこのプロセスが重要なのか?という点が、本日の掲題になります。
民主主義からもう一歩突っ込んで、そもそも「政治」ってなんでしょうか?

「政策を決定すること」
「利害関係を調整すること」
「責任を取ること」

様々な答えがあり、どれも間違いではありませんが、
学術的には「再配分をすること」です。

この世の中には、お金を始めとする様々な資源が有ります。
それを弱肉強食のルールで強いものが独り占めしている社会は不安定で、
常に暴力や貧困の恐怖に怯えることになります。(『北斗の拳』参照)(え?)

そこで、社会に偏在する資源・リソースを集めて適正に再配分していく。
その過程で様々な課題を解決し、社会に安寧をもたらす。

これこそがまさに「政治」の役割であり、その再配分のやり方を
「偉い人・頭の良い人じゃなくて、みんなで決めようぜ」としたのが、
民主主義というシステム
なのです。

頭の良い官僚の人たちが一から十まで予算を組み立てて、
最後に議会で承認だけもらってはい決定!では、民主主義としては不完全です。

曲がりなりにも民意の代表者である議員たちが
予算の策定過程にしっかりと入り込み、民意を代表して意見を述べていく。
そして何よりもわかりやすく、重要な資源である「お金」の再配分を決める。

あらゆる政策決定の中で「予算」が最も重要視されるのは、
このプロセスこそがまさに民主主義だからであり、
冒頭の記事の指摘はまったく正しいものであると言えます。

というわけで、民意の代表者の末席に位置する私は、
今週から東京都に15以上存在する各局・各部門から予算要求の詳細を
ヒアリングして精査するという作業に入っています。

総額約7兆円、項目も用途も多岐にわたりまして、
午後いっぱいを使ったレクチャー嵐で頭は飽和状態です…
しかし、それでもまだ半分も終わっていないという。。

そもそも予算要求の根拠が明確な形で示されないなどの
問題も多々あるのですが、この分野についてはめっぽう詳しい上田都議などの
指導を仰ぎながら、年明けまでしっかりと予算策定に携わっていきたいと思います。

折にふれて、来年の予算編成についてもブログで情報共有していきます。
それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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