もっと、新しい日本をつくろう

「知らせることの意義」と「情報公開のリスク」のバランスをどう考えるか

立場上、行政とのやり取りで色々な情報が手に入るし発見があるのですが、
私の情報発信に関する基本的な原則・スタンスは

「都民の代表者である都議会議員が知った情報は、都民は知る権利がある」

です。もちろんあくまで「原則」ですし、周知の順番などもありますので、
なんでもかんでも公開しているわけではありません。

でも、これは大事なことだと思っています。
行政も議会も、ときに有権者・都民に「知らせないように」情報を抱え込む時があります。
仕事が増えるからであったり、自らに不都合になる可能性があったりと、理由は様々です。

ですが、どんな問題もまずは知ることから始まるのであり、
これをわかりやすく有権者に伝えていくこともまた、
代表者である議員の役割ではないでしょうか。

さて、本日は児童養護を取り上げた名著「誕生日を知らない女の子」の著者である、
黒川祥子先生が都議会議事堂の控室に来てくださいました。

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しまった、黒川先生があまり目立っていない…。
(左から二番目の素敵な女性です)

過去の私の児童養護・里親制度に関する記事はコチラから。
http://otokitashun.com/tag/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E7%9A%84%E9%A4%8A%E8%AD%B7/

児童養護の問題点については上記の過去記事をご覧いただきたいのですが、
「家族」などもっともプライベートな部分に踏み込むこの制度と社会問題。
取材や執筆には並々ならぬ苦労があったようです。

一部の里子や児童養護施設の悲惨な状況を、まずは知ってもらわなければ
社会的認知が上がらず問題解決につながらない。でも一方で、知らせることで個人が特定されたり、
印象が悪くなって不利益を被る子どもや家庭・施設があるかもしれない…

里親も児童養護施設も行政制度のため、そこで働いたり過ごしたりする方々には
一定の守秘義務が発生します。そのすべてを厳格に重視しようとすれば、
現場のことなんて少しも伝わらないわけです。

それでも、児童養護や虐待の実態を少しでも伝えたい!
という当事者たちの想いを、編集者と密に相談しながら匿名化し、
リアルが伝わるギリギリの境界線で一つの作品にしていく…。

その苦労と想いが、この名著の誕生につながったそうです。

この分野ではかなりの売れ行きを達成しているものの、
やはり児童養護関連の書籍は基本的にあまり売れないのだとか。

政治と一緒ですが、当事者が少ない分野は社会的関心が低く、
票にならなかったり売上につながらない→ますます取り組む人が減っていく
という負のスパイラルに陥ってしまうわけですね。

しかしながら、今は書籍やテレビメディアの他に、
コストがかからないインターネットで誰もが情報を得て発信することができます。
継続的に取り組んでいけば、必ず世論を動かす流れになると確信しています。

もちろん最大限に情報の取り扱いに配慮しつつも、
誰かがリスクと労力を取って情報発信をしなければ、この世の中は何も変わりません

というわけで、このブログで児童養護・里親制度に関心を持っていただいた皆さま、
改めての紹介になりますがぜひこちらもご一読くださいませ。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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