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多重国籍は、もはや国際スタンダード?!価値観の相違を埋める難しさ…

日々のこと

先日、日本人とトルコ人のハーフで、五か国語を操るマルチリンガルという
スーパークローバルパーソンと会食をする機会がありました。

そこでの話題は集団的自衛権から日本の議会政治まで
多岐に及んだのですが、そこで出てきた一つが「国籍」の問題。

今現在、日本では多重国籍(二重国籍)は基本的に認められていません
海外で生まれたハーフの人なんかは、二十歳~二十二歳までにどちらかの国を選択肢し、
単一の国籍を取得することになります。

自分には直接そうした機会もなかったし、
一人の人間に一つの国籍というのは「当たり前」のように思っていたのですが、
彼女曰くもはやそんなことはないそうで、

「一つの国籍を捨てなければならないなんて、まったくナンセンス」
「このボーダレスな時代に、今だに国家・国籍に縛られるなんて古すぎる」

ということらしいです。

確かに調べてみると、多重国籍を認めている国は多数派とは言えないものの、
アメリカ、カナダ、ロシア、フランス、イギリスなど多くの先進国で
多重国籍を認めているケースがあります。

恐らく彼女の方が「先進的」で、こちらが「守旧派」の考えなんだと思うんですけど、
「古い」「遅れている」と言われると何だか納得できないのが
人間の心理と言うもので(笑)、

「二つの国籍を取得した国同士で、紛争が起こったらどうするのか」
「片方にしか納税などは行わないのに、権利を両方で行使できるのは整合性が取れない」

とか反論してしまいたくなってしまうのですが、
そんな議論をしながらふと、都議会のセクハラ野次問題が頭によぎりました。

あの問題についても、野次を飛ばしたり
笑ったりしていた議員に対して、私や多くの若い世代は

「どれだけ時代錯誤の価値観を持っているんだ」
「いまだにあの人権意識の低さは、信じられない!」

と当たり前のように感じると思いますけど、
実際に発言をした側や、年配の方の中には

「『あの程度』のことで、大騒ぎするのはおかしい」
「実際、結婚・出産は早くした方がいいじゃないか!」

と思っている方が少なからずいたと思うんですね。
そう考えるのは一つの価値観で、悪いことではありません。
(議場であの野次を飛ばすのは論外ですよ。念のため)

彼らだっておそらく、我々から「古い」「遅れている」と断言されれば
いい気分にはならないでしょうし、ますます頑なにその価値観に
固執する方も出てくるでしょう。

何が言いたいかと申しますと、自分が今回
「古い」「遅れている」と言われる立場に立たされて改めて、
こうした価値観の隔たりを埋めていくのは極めて難しいなーと感じたわけです。

「あるべき論」を語るのは簡単ですが、恐らくそれで相手を説得したり、
価値観をアップデートさせることはできません。

知識人や評論家であれば言いっぱなしでいいのでしょうけれど、
政治家の仕事はまさにこの価値観をどう擦り合わさせるかだと思います。
それにはまず、常に自分の価値観をアップデートしていかなければなりません。

その努力を怠れば、いつの間にか自分自身が、
議会で野次を飛ばしている側の人間になっているかもしれない…

そんなことを思って、少しゾッとした経験でございました。
(会食自体はとても楽しかったですよ、念のため)

様々な意見に耳を傾けること。
知識を吸収すること。そして情報発信を続けること。

こうしたことを今後も心掛けていきたいと思います。
さぼってたら、叱ってください(笑)。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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