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政治家がネットでの発信に熱心でない、最大の理由とは?

日々のこと

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本日は早稲田大学政治経済学部のOB組織である「稲門政経会」の
総会及び懇親会が、大隈講堂&リーガロイヤルホテルで開催されました。

総会の基調講演の講師は、あのiモードの開発者で現在は
グリーやドワンゴの社外取締役を務める夏野剛さん。
彼は講話の中で、

・いかにITによる革命で、世の中が変わったか
・そんな中で日本の政治は、致命的にネットやITに理解がない

という話をしておりまして、そんなことを聞きながら、
なんで相変わらず政治家はネットやITに熱心にならないんだろうかと
ぼんやりと考えていたのですが、彼の終盤のメッセージ

「日本人は調和を重んじるあまり、フリクション(摩擦)を過度に恐れる」

ということを聞いて、何か腑に落ちました。
そうです、政治家がネットでの情報発信に熱心ではなく、
仮に頻繁にSNSやブログを更新する議員であっても

「〇〇駅で街頭演説活動を行いました!」
「××という案が出ていますが、皆さんはどう思いますか?」

などという当たり障りのない内容になってしまうのは、
まさにフリクション(摩擦)を恐れているからに他なりません。

ネットはご案内の通り、すごい勢いでスピードが流れていきますし、
一たび「炎上」すればものすごい議論が巻き起こります。

端的に言えばこの「摩擦」とそれによって起こる「議論」に対して、
政治家はまったく耐性がなく、むしろ面倒くさいとしか認識してないのです。

例えば先日、私は点字ブロックの不備について
ネットで意見発信を行いました。

点字ブロックから手すりが?!見えてる自分に「見えていなかった」コト
http://otokitashun.com/blog/daily/3314/

おかげさまでこちらの記事には大きな反響があったのですが、
様々なご意見も寄せられました。その中には

「これは点状ブロックで障害物を示すものなので、おときた氏の指摘は間違っている」

とのコメントが多くありました。

このご指摘はその通りです。が、私としてはそれでもこの状態には
問題が残り、対応が必要だと考えていましたので(上記ブログの追記参照)、
それはそれとしてまた状況に進捗があれば、ブログで報告しようと考えていました。

ところが、1週間もしないうちにネットの中からは

「間違いを指摘されたのに、この議員は訂正しようともしない」
「不誠実だ」「無責任な情報発信だ」

という声が散見されるようになりました。

これらのご意見はもっともでもありますし、
すぐにそれらのコメントについて対応しなかった私の不備でもあります。

が、誤解を恐れず状況を正直に申し上げれば、
ネットを主戦場とする私レベルの議員でも、このスピード感で
ネット論壇の意見についていき、対応するのはなかなか難しい
ということです。

どうしても日々の業務に追われていれば、こうした対応については
「とりあえず後でいいだろう」と思って、後回しにしてしまいがちです。

ところが、ネットやITという非常にスピードが速い場所においては、
このちょっとした「先送り」が思わぬ大炎上につながります。

だったら、そんな火種を作るくらいなら最初から
「そんな面倒な情報発信はしない方がいいや!」と考えるのが、
『合理的で選挙に強い政治家』の発想となるのは仕方がないことかもしれません。

摩擦や議論を恐れず、またそれがネット上で巻き起こる際の
スピード感についていけるだけの自分自身のレベルアップが望まれるとともに、
政界にいる人材とネット世界でのギャップを感じる一日でありました。

懇親会後、政治学科のゼミOBたちともまた
白熱の政治談議があったのですが、それはまたの機会に…

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応援部のデモンストレーションからも、力をもらいました!
それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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