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国の対策が後退する今こそ、東京都は「受動喫煙ゼロ」を高らかに目指すべき

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

本日閣議決定された「第3期がん対策推進基本計画」において、政府が方針として「受動喫煙ゼロ」を事実上、放棄することが定められました。

また、屋内の原則禁煙を目指していく「受動喫煙防止法」が、例外規定などによって骨抜きにされつつあることは、以前から指摘している通りです。

過去記事:
喫煙に甘~い都議会自民党では、禁煙条例制定は不可能。受動喫煙防止対策は、都議選の重要争点になりえる

http://otokitashun.com/blog/daily/15090/

今日はこの問題に取り組んでいる関係者と、今回の小池知事の総選挙敗北によって

「東京都の受動喫煙防止対策も、政府や自民党に配慮して後退してしまうんですかね…?」

というお話をしていまして、私はむしろこの受動喫煙防止対策こそ逆風をはねのける機会、政府や自民党との差別化を見せるチャンスではないかと思います。

「東京都受動喫煙防止条例(仮称)」については、10月上旬までパブリックコメントが募集され、議案として提出するために今まさに最終的な内容が詰められているところです。

知事や都民ファーストの会が選挙で表明していた内容は、すでに政府案よりかなり踏み込んだものになっています。

この水準を維持されるのはもちろんのこと、ここは例外規定を限りなく少なくして、「受動喫煙ゼロ」に向けてさらにアクセルを踏み込むべきです。

都議会自民党の反発は予想されますが、本件に関しては「子どもの受動喫煙防止条例」をともに策定した都議会公明党とがっちりタッグを組めるはずです。

受動喫煙防止対策は都知事選・都議選における公約ですから、これをきっちり仕上げていけば、

「さすが小池知事。都政に専念されれば、きちんと実績を出してくれるのだな!」

と、都民・有権者からも高く評価されるのではないでしょうか。

加えて、僭越ながら都議として「こうすればさらに良くなる!」という提案を、東京都並びに小池知事に対して3つほどしたいと思います。

「隗より始めよ」で、都庁舎内の禁煙をまずスタートする

都庁舎内は、私が以前に「喫煙天国」としてレポートした当時に比べれば、喫煙所にドアも付きましたしマシな状況になっています。

過去記事:都庁・都議会議事堂が喫煙天国なのに、禁煙(受動喫煙防止)条例ができるわけもない
http://otokitashun.com/blog/togikai/5631/

しかしながら、庁内にはまだまだ喫煙が可能なスペースは複数残ってます。まずはここを禁煙にしてみることで、どのような意見が出てくるのか?

もっとも知事にとって身近な「都庁職員」から生の声を集め、政策や条例案の中身に反映させることもできるのではないでしょうか。

業界団体・関係者との意見交換・ヒアリングの実施

今回の条例案策定にあたっては、パブリックコメントの募集は行われたものの、有識者や関係団体を招聘しての審議会や、個別のヒアリングを行う予定はないようです。

確かに東京都としては、舛添都政下の2014年~15年にかけて「東京都受動喫煙防止対策検討会」を開催して意見を聴聞してますから、屋上屋を重ねる必要はないという意見も理解できます。

しかしながら、都知事も方針も変わったわけですから、ここはもう一度関係団体の意見を集めておいた方が丁寧な進め方ではないでしょうか。

検討会・審議会となると年単位の期間が必要になりますが、個別に団体や関係者から知事(もしくは局長)がヒアリングしていくことなら、それほど長い時間はかからないはずです。

結論として出てくる条例案がどのような形になるのであれ、こうしたステップを着実に踏んでいくことは、多様な意見に幅広く耳を傾ける知事という評価につながっていくと思います。

屋外喫煙所の整備・拡充に取り組む(できれば条例案にも盛り込む)

これは私が、従前より主張している通りです。

過去記事:受動喫煙防止法・条例ができる前にやっておくべきは、屋根・囲い尽き喫煙所を増やしておくことである
http://otokitashun.com/blog/togikai/13475/

屋内禁煙が徹底してる先進国と我が国の最大の違いは、日本の場合、歩きタバコ・路上喫煙の禁止から整備が入ってしまったため、屋外禁煙を突き詰めると喫煙者の喫煙場所が極端に限られてしまう点になります。

私自身は非喫煙者ですし、周りにも「喫煙所なんていらない!迷惑施設だ!」という人は多いのですが…。

そうは言っても喫煙を実際にされている方がいる以上、喫煙者への配慮も必要不可欠になりますし、そうした調整を行うのが政治の役割です。

例えば条例の中に

「自治体は、屋外喫煙所の整備など、公的な喫煙スペースの確保に努める」

などの努力義務条項を記載し、来年の予算案の中にも整備費用を計上する。

地方たばこ税をこうした用途に使うことは極めてまっとうなことであり、喫煙者からも非喫煙者からも批判は少ないのではないでしょうか。

以上、長くなりましたが、私は受動喫煙防止ゼロに対して取り組まれる小池知事の姿勢については、全面的に支持するものです。

同じ考えを持つ議員とも議会内でも連携をしながら、引き続き「東京都からの受動喫煙ゼロ!」を目指して政策提言・情報発信に努めて参ります。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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