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憲法9条は「浮気公認状態」、さあどうする?そもそも、何で自衛隊があるの?日本が憲法を守れないワケ

日々のこと

こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

少し乗り遅れましたが、5月3日は憲法記念日ということで、安倍首相が改憲へのロードマップを初めて明示したことが大きな話題になっています。

憲法改正2020年「施行」目指す 安倍首相、読売インタビューで明言
https://www.j-cast.com/2017/05/03297160.html

これに対して多くの有識者が賛否両論を投げかけておりますが、「希望の塾」でも講師を務めていただいた、国際政治学者の三浦瑠麗さんの考察がもっともスマートです。

改憲運動に欠けているもの – 山猫日記
http://lullymiura.hatenadiary.jp/entry/2017/05/04/005929

憲法改正でもっとも大きな焦点になるのは、言うまでもなく「平和主義」「戦力の不保持」などをうたっている憲法9条です。

三浦瑠麗さんは、戦力の不保持をうたいながら自衛隊が存在している状態をこう喝破します。

>9条2項削除の第二の意義は、統治の根本にあるごまかしを排することです。「戦力は保持しない」し、「交戦権は認めない」けれど、自衛隊は持っている。法には一定の解釈論がつきものですが、国の根幹にかかわる部分について中学生に説明できないようではダメなのです。

立法府が誤魔化しの政治を続けると、行政府も平気で嘘をつくようになるものであり、ひいては民主主義を危うくするのです。

(上記ブログ記事より抜粋、強調筆者)

特に「国の根幹にかかわる部分につて、中学生に説明できないようではダメ」という意見は、強く同意をするところです。

私自身、昨年上梓した拙著「ギャル男でもわかる政治の話」の中で憲法9条と改憲については取り上げて、ギャル男の歳生・蓮たちにこんな説明をしています。

【五時限目】
憲法9条は「浮気公認状態」、さあどうする?

そもそも、何で自衛隊があるの?日本が憲法を守れないワケ

おときた:三時間目に憲法をジャンプにたとえたんだけど、実はいま、「憲法を変えたほうがいいんじゃないか」という動きがあるんだ。憲法9条って、学校で習ったよね?

蓮:もちろん覚えてます。「戦争反対!」ですよね!

歳生:絶対それだけじゃないだろ! でも、なんだっけ?

おときた:まあ、間違ってはいないんだけどね(笑)。補足すると、9条では「戦力を持たない、戦争をしない」という宣言をしているんだ。

歳生:そうだそうだ。えーと、平和憲法、だっけ……?

おときた:おおー、素晴らしい! 日本の平和教育には一定の成果があるみたいで安心した。先進国で戦争放棄を宣言しているのは日本だけで、これは世界的に見てもユニークな憲法だね。

蓮:へえ、ユニークなんだ? なんか面白いことでも書いてあるのかな?

歳生:明らかにそのユニークじゃないでしょ! でも、戦争放棄って言いつつ、自衛隊があるよね? あれ、最初から不思議だったんです。

おときた:いいところに気がついたね! 日本は自衛隊を「軍隊ではない」と言っているけど、世界的に見ればあれはどう見ても軍隊。ジャンプのなかに「努力・友情・勝利」の三原則を守らないマンガが入ってるようなものなんだ。

歳生:努力・友情・勝利じゃないマンガってどんなマンガだろう……?

蓮:……『島耕作』とか?

おときた:シブいところ突いてきたなー!(笑)。そうだね、それがなぜかジャンプで連載されている状態。こうなると、現状を憲法にあわせるか、憲法を現状にあわせるかしかないんだ。

歳生:それって、実際はどうするんですか??

おときた:自衛隊を解散するか、憲法を「多少は戦力持ちます」に変えるか。これについてはいま、意見が真っ二つにわかれているところなんだよね。

蓮:ええっ、わかれてるんですか?

おときた:意外?

蓮:はい、別に持てばいいじゃんって思う。減るもんじゃないし。

歳生:キャバクラのオヤジかよ! でも、憲法を現状に合わせるって言って、変えちゃったら歯止めが効かなくなりそうじゃない?

おときた:おおっ、いいことを言いますね〜。

蓮:おときたさん、コメンテーターみたい(笑)。

おときた:それに、そもそもどうしてこんな議論をしているのか、というのも問題だったりする。だって、憲法に書いてあるなら守れよ、って思わない?

蓮:た、たしかにー!

おときた:じゃあなんで戦力を持っているのかというとね……これって恋愛によく似ているんです。

歳生・蓮:恋愛に!?

いまの自衛隊は「浮気じゃないって言い張るダメ男」と一緒!?

おときた:じゃあ、仮にキミたちが女の子と付き合うことになったとしよう。

歳生:おっ、いいですね〜。それでそれで?

おときた:で、最初にお互い約束するわけだ。「浮気はダメだよ」って。

蓮:えーっ。その女の子って、なんかメンドくさい子なの?

歳生:わりと普通だと思うぞ!

おときた:まあまあ(笑)。最初はそれでもいいんだけど、付き合っているとだんだん、ね……いろいろあるじゃないですか。ほら。

歳生:飽きてくるってこと? もしかして、おときたさん……。

おときた:ちがうちがう、これはたとえばの話! 僕の話じゃないぞ〜!(一同笑)

おときた:あ、あくまでたとえばの話だけどさ、別の子とご飯を食べるくらいはセーフだろう、とか、手をつなぐくらいなら、とか、もうエッチしちゃったけどこれは浮気じゃない!「気」持ちはお前にあるから!とか。そういうこと、あるよね?

歳生:あ〜あ。いちばんやっちゃいけないパターンだね。

おときた:そう。残念ながら、こうなっているのがいまの日本だ。浮気じゃない!って言い張るように、自衛隊は戦力じゃない!って言い張ってる。

蓮:でもたしかに、付き合いたてのころって浮気するなんて思ってないから、「ずっと一緒にいよう」とか言っちゃうもんなあ。

歳生:それでだいたい、しばらくして別れるよね(笑)。

おときた:そう、おなじように、最初は「戦力を放棄すれば戦争は起きない」っていう理想を信じてたんだけど、いろいろあって「やっぱり戦力がないとヤバイ」ってことに気づいたんだ。

蓮:え、ヤバイんですか? どこかの国が日本を狙ってるの?

おときた:まず、これまで日本はアメリカに守ってもらう約束、つまり日米安全保障条約を結んでいたんだけど。

歳生:日本は戦力を持たないから?

おときた:ご明察。でも、ここのところ中国がすごいスピードで勢力を拡大していて、日本にとっても脅威の存在になってきた。しかも最近では、おとなりの朝鮮半島でも韓国と北朝鮮がモメているという。

歳生:う、うん……? 中国がヤバくて、それに韓国と北朝鮮がモメてて……?

おときた:いっぽうのアメリカは、イスラム諸国との関係が悪化していて、

蓮:(遠い目)

歳生:(指輪をいじり始める)

おときた:おっと、いきなりは難しかったか……。よし、じゃあ、いまから日本は三代目J Soul Brothersだ〜!

蓮・歳生:たとえ、キター!

(後略)

とまあこんな感じで、中学生に説明できないものを、無理やりギャル男に解説したりしました?!

未読の方はぜひ、「ギャル男でもわかる政治の話」をご一読くださいませ。

こちらの話の流れでもおわかりの通り、私個人は憲法は9条も含めて改憲の必要があると思いますし、国民的議論は避けて通れないと考える立場です。

その点では今回、安倍首相が一国の宰相として、憲法改正までの具体的ロードマップを示したことについては、前向きに捉えるべきだと思っています。

憲法改正はまさに「国民的議論」が必要です。政治に対して常日頃から意識が高い人々だけではなく、それこそギャル男のように人たちにもリーチをして、議論を深めていかなければなりません。

私はいち地方議員という立場ですが、この国の未来を占う憲法議論の深まりに少しでも貢献できるよう、折に触れて情報発信に務めていく所存です。

連休後半、これを機に政治や憲法関連の書籍を読んでみるのはいかがでしょうか?

前述の三浦瑠麗さんの著作と拙著の他に、私の大学同期の政治学者・岩田温さんの著書も紹介しておきます。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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