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日本とアメリカの「保守」は、こんなにも違う!トランプの黒幕、共和党保守派を読み解く

日々のこと
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こんばんは、都議会議員(北区選出)のおときた駿です。

今朝は浮間舟渡駅前から活動をスタート。都議の活動範囲は区内全域とはいえ、どうしても「守備範囲」が決まってきてしまい、それ以外のところでは普段からの街頭活動は行えていないのが実情です。

来期はもっと、普段から全エリアで都政レポートを駅前配布できるように、頑張らないといけないですね。

まず、来期がないからもしれないけれど?!

さて、4月も後半に差し掛かってきましたが、月初に発売されたこちらの本を読了し、いち政治家として非常に勉強になったのでご紹介をば。

トランプの黒幕 日本人が知らない共和党保守派の正体 / 渡瀬裕哉 (著)

著者は、ほとんどの国内有識者が「ヒラリー有利」を予測する中で、ほとんど唯一トランプ大統領誕生を正確に予測していた渡瀬裕哉さん。

国内外の政治・政策研究に加えて、実際の選挙活動や選挙プランニングにも携わるなど、その活動や専門領域は多岐に渡ります。

なお、いきなり余談から入りますと、渡瀬さんは大学の先輩筋にもあたりまして、4年前に共通の知り合いからご紹介をいただき、私にとって初挑戦となる都議選のアドバイスをいただいたのですが、

「今の君の状態では、1億円くらい資金があって勝率は五分五分。そうじゃなければまず無理」

と、非常に厳しい評価・洗礼をもらったことは忘れられない良い思い出です(笑)。そして私は渡瀬さんの予想を覆し、最下位で滑り込み当選。

トランプの当選は予測できた人でも、私の当選は予測できなかったことをここに記しておきます?!(冗談です)

話を戻しまして、こちらの書籍「トランプの黒幕」。日本のテレビメディアだけを見ていると、トランプ大統領は悪質なポピュリズムによって生み出された弊害、白人低所得層が支持する差別主義者だ!といった報道がなされることが多々あります。

筆者はこうした間違いを的確に指摘し、トランプの背後には「共和党保守派」という極めて知的で、伝統と豊富な運動量を持つ政治勢力が存在していたことを喝破します。

…まず一般的な人には、「共和党保守派」と言ってもまったくイメージがわかないと思います。共和党の中にも派閥があるの?的な。

とはいえ少しでも政治に関心がある方であれば、アメリカの二大政党は

民主党=リベラルで大きな政府
共和党=保守的で小さな政府

というくらいの知識はあるのではないでしょうか。

共和党の中では、より幅広い支持を得るために中道に寄り、民主党にも妥協・融和的な「主流派」と、建国の理念である自由・分権・減税などを強く求める「保守派」が存在します。

ある意味では妥協を許さないその姿勢から、文字通り保守派はこれまで「主流派」にはなれずに影に甘んじてきました。とはいえ、共和党保守派は極端な主張ばかり繰り返す、いわゆる「極右」のような存在ではありません。

高度に知的なシンクタンクや、莫大な財力を持つ財団を有し、草の根ネットワークでつながれた豊富な政治運動量を誇る、米国政治に左右する重要なキープレイヤーの一つです。

にもかかわらず、我が国では政治家も官僚も、メディア関係者すらも民主党や共和党主流派とのパイプしか所有していなかったため、この共和党保守派の存在はクローズアップされることがほとんどありませんでした。

そうした言論空間の中で本書は、トランプ大統領誕生を支えた共和党保守派という存在に、初めてスポットライトを当てた本といえると思います。

興味深いのが、「保守」という単語の持つ意味です。私も保守政治家を自称する1人ですが、日本の「保守」とアメリカの「保守」は、ずいぶんとその意味合いが異なります。

米国は、英国による植民地支配から自由を求めて独立した人々の国であり、その建国の理念は合衆国憲法によって高らかに宣言されている。合衆国憲法は、三権分立などの基本的な事柄を定めた条項と、自由主義的な諸権利を定めた修正条項によって成り立っている。共和党保守派とは、これら憲法に定められた人々の権利を教条主義的に守ろうとする傾向があり、米国における護憲派として捉えると分かりやすい。日本では護憲派というと左派・革新勢力を意味することが多いが、米国では右派・保守派が護憲勢力なのである。

そして、この憲法に定められた建国の理念を守ろうとする立場から、財産権の保障=減税、信教の自由=中絶反対、武器を保有・携帯する権利=銃規制反対など、自由主義的・保守主義的な政治思想を主張する共和党保守派の政治行動が生まれてくることになる。したがって、彼らの減税や規制緩和という政策はテクニカルな問題ではなく、彼らの存在意義に関わる理念的な課題設定として導き出された結論となる。
(P74より引用、強調筆者)

日本の保守派は米国の保守派とほぼ百八十度真逆の思想を持った人々によって構成されており、本質的には共和党保守派の価値観とは相容れることがない存在だからだ。日本の保守派は明治維新を盲信していることが多いが、明治維新とは長州藩・薩摩藩の地方官僚による中央集権化に向けたクーデターである。英国本国の不当な支配に対して立ち上がった米国の起点となるボストン茶会事件とは、似ても似つかない価値観をベースとしている。

(中略)

安倍政権は政治的な反対勢力からは新自由主義政策を推進していると糾弾されているが、世界的に見れば同政権はケインズ的な社会民主主義政党であり、経済的にも政治的にも保守政権と呼べるようなものではない。
(P192~193より、強調筆者)

米国保守派=小さな政府、自由主義、地方分権
日本の自称保守派=大きな政府、社会民主主義、中央集権

と。こうしてみると、今の日本にどんな政治・政治家が必要なのかが見えてきますね。なお私自身は、前者の小さな政府、自由主義、地方分権路線を支持するものです。

トランプ政権や米国政権のみならず、日本の政治を考察する上でも示唆に富む一冊です。連休の読書にいかがでしょうか。

それでは、また明日。

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ギャル男でもわかる政治の話
おときた駿

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 34歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員2期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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