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いわゆる「JKビジネス」を規制する条例案。でも、ホンモノの女子高生が働いているケースはどれくらい?

日々のこと

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

今月中旬からスタートする都議会本会議において、審議される条例案の説明が始まりつつあります。その中で、話題になりそうな大きな案件の一つが

「特定異性接客営業等の規制に関する条例」

です。特定異性接客営業ってなんじゃらほい?と思う方が大半だと思いますが、これはいわゆる「JKビジネス」と呼ばれるものを指します。

女子高生に性的サービスやそれに準ずる接客行為をさせるビジネスが横行し、そこに取り込まれてしまう女子高生たちがいることが問題となり、昨年には有識者会議が立ち上げられていました。

その際にも私は取り上げておりまして、当時のブログがコチラ↓

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JKビジネスも、公職選挙法も、片一方側がまったく処罰されない不思議。。 (2016年2月17日)
http://otokitashun.com/blog/daily/10453/

今年になってようやくその有識者懇談会の提言や対策がまとまり、本定例会に条例として出て来る運びとなりました。詳細はこちらです↓

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細かいことまで読むのはしんどいと思いますので、私的に重要だと思うのは赤線を引いた第16条「報告及び立ち入り」です。

というのも、JKビジネスの抑止を困難にしていたのは、一見すると単なるカフェやリフレ(マッサージ)店であるような業態に対して、立ち入り調査をしてスタッフの年齢確認などができなかったことがその一因だからです。

女子高生の制服を来ているだけの「なんちゃってコスプレ従業員」なのか、それともホンモノの女子高生なのかの区別が傍目ではつかず、また立ち入り調査の権限も限られていたために、18歳未満の存在を正確に把握することがこれまではできていなかったわけですね。

そして実はこのことが、第二の被害(風評被害)を起こしています。例えば、この警視庁の説明資料。

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作成した警視庁に他意はまったくないと思うのですが、こちら(赤線・赤丸部分に注目)を見ると、いかにも女子高生がいかがわしいサービスをしている店舗が190店舗も存在しているようにも思えます。

しかしながらこれは、「女子高生の制服を着て、こうしたサービスを提供している店舗」の数であって、本当にそれを18歳未満の女子高生がやっているかどうかはわからないわけです。

にもかかわらず、「なんちゃって女子高生」がこうした業態でサービスを提供している数や光景だけが着目され、

「わが国では、未成年者が性風俗に取り込まれているおぞましい実態がある!」

という一部不正確な報道がなされ、また日本に視察に訪れた国連の特別報告者がそれを真に受けてしまったという出来事がありました。

参考:JKビジネスの禁止勧告 国連の特別報告者:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASJ380FGVJ37UHBI035.html

これに対して当時、日本政府はきちんと抗議の声をあげていますが、やはり特別報告者のリアクションのほうが大きく報道・流布されてしまったことは否めません。

参考:JKビジネス、国連勧告に日本反論 「不正確な文言」:朝日新聞デジタル
http://www.asahi.com/articles/ASJ390PGRJ38UHBI03P.html

報告書は「JKビジネスは、それを立派なアルバイトと考えている12歳から17歳の女子中高生の間で、まれなことではない」と指摘した。それに対して、日本政府側は「女子中高生に狙いを絞った調査など、客観的な情報に基づいていない」と批判し、「国際社会に対して、女子中高生の誤ったイメージを発信してしまうため、日本はこの一文を容認できない」とした。(上記記事より抜粋、強調筆者)

実際、一時期はJKビジネスのメッカと目されていた秋葉原も、現場に詳しい方にヒアリングすると口を揃えて

「もはやホンモノの女子高生、18歳未満が従事している例はほとんどない」

とおっしゃっており、むしろ「JKビジネスの温床」という負のブランドイメージを払拭するために心を砕いているようです。

もちろん、まだまだ社会の目をかいくぐってこうしたビジネスが存在することは事実でしょうし、これに取り込まれてしまう女子高生たちを社会全体で救わなければならないことは言うまでもありません。

世論を盛り上げて、今回の条例案提出に至る問題提起を続けてきた当事者・支援者の方々には、心より敬意を表します。

また今回の条例案には特に記載はありませんが、利用者側をしっかりと罰していくことも重要でしょう(これは現行法で可能)。

その一方で、立ち入り調査により実態把握が容易になった後は、出来る限り正確な情報発信につとめて、あらぬ風評被害であった部分については払拭していく必要があります

本定例会で可決されれば施行は7月1日からとなる本条例案ですが、取り締まり・検挙と並行し、実態把握のために有効活用されることを期待したいと思う次第です。

そしてその他の内容についても、もちろん議会中にさらに深く審議をして参ります。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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