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やはり今年は「社会的養護・児童養護元年」だった。すべての子どもたちに家庭を、特別養子縁組あっせん法案が成立!

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。

2016年は東京都でも予算の重点項目の2番目に「社会的養護への取組」が記載され、また春には児童福祉法が改正され、児童の権利や里親・養子縁組促進が記載されるなど、年初に予想した通り非常に大きな動きがあった1年でした。

痛ましい事件も多いけれど、今年は「社会的養護(児童養護)元年」になるかもしれない
http://otokitashun.com/blog/daily/10093/
子どもを「保護の対象」から「権利の主体」へ。「児童の権利」、児童福祉法にはじめて明記!【追記あり】
http://otokitashun.com/blog/daily/10967/

「社会的養護」とは、死別や虐待・経済的事情など様々な理由で両親や保護者などと暮らせなくなってしまった「要保護児童」と言われる子どもたちに対する、福祉政策全般を指す言葉です。

福祉先進国では「すべての児童には家庭を得る権利がある」という発想の元、里親委託や養子縁組が非常に盛んですが、我が国では残念ながらいわゆる

「施設の子」

というイメージが醸成されているように、施設保護が中心となり、多くの要保護児童たちが集団生活を余儀なくされています。

社会的養護・児童養護に関する過去ログはコチラから。

その大きな理由の一つが、特別養子縁組への取組が非常に貧弱なことです。

これまで何度も指摘している通り、我が国の児童相談所は「まずは施設(乳児院)」という発想が非常に強く、特にゼロ歳児(新生児)の里親委託・特別養子縁組に非常に消極的です。

そうした動きをカバーしてきたのが民間の養子縁組団体ですが、こうした団体に対する補助や支援が一切なく、また認可制度もないためにいわゆる「悪徳業者」も野放しになるという不幸な状態が続いてきました。

ここに楔を打つことになるのが、本日成立した「特別養子縁組あっせん法案」です。

この法律により、国や公共団体(地方自治体のこと)は民間の養子縁組団体に財政的な支援などが行えることになりました。

また、これまでの「申請制」から「認可制」へと変わることになり、いわゆる悪徳業者に対する抑止力がいっそう強まることが期待されます。

これも以前から繰り返し指摘していることになりますが、赤ちゃんの「虐待死」でもっとも多いのは0歳0ヶ月、つまり生まれた直後に命を奪われるケースです。

こうした悲劇は特別養子縁組を前提として、出産前から対象者を支援するいわゆる「赤ちゃん縁組」によって、ほぼ確実に減らしていくことができます。

参考:できない言い訳とやれる理由は、時に表裏一体。東京都は「新生児里親委託」に踏み出すか?
http://otokitashun.com/blog/daily/6684/

また今回の法案成立に関しては、この事業にずっと取り組んできた駒崎弘樹さんの記事もご参照ください。

特別養子縁組あっせん法案成立!赤ちゃんの虐待死ゼロに向けて重要すぎる一歩(駒崎弘樹) – Y!ニュース
http://bylines.news.yahoo.co.jp/komazakihiroki/20161209-00065308/

この法令により、東京都でも民間事業者への補助拡大が行われ、またその刺激により行政サイドでも

「新生児里親委託・特別養子縁組」

への活動が活発になることを期待し、また引き続き政策提言を続けていくものです。

いやあ今年は本当に、社会的養護元年になりました。微力ながらこの分野の進展に貢献できたことを喜びつつ、これからも気を引き締めて子どもたちのために活動をしたいと思います。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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