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痛ましい事件も多いけれど、今年は「社会的養護(児童養護)元年」になるかもしれない

※1/15 16:50再アップ

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
本来であれば一時保護・社会的養護下に置かれるはずであった
被虐待児が死亡するという、痛ましい事件が報道されています。

<狭山女児死亡>母らLINEで虐待やりとりか「帰ったらやろうね」
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20160113-00010007-saitama-l11

こちらは社会起業家の駒崎さんも指摘している通り、
警察や児童相談所の行政間の連携が機能していれば、防げた可能性が高い案件でした。

心よりご冥福をお祈りするとともに、再発防止にむけて
私も地方議員としてできる政策提言を続けていく所存です。

その一方で、児童虐待対策を含む社会的養護を巡る状況については、
少しずつ明るい兆しも見えつつあります。

今日は「平成28年度東京都予算原案」の議員向けレクチャーがありました。
記者会見後にはHPなどにも発表されるので、詳細はそちらを参照いただきたいのですが、
「予算のポイント-重点政策-」の福祉分野に嬉しい記載が!

1

なんと!
高齢者政策を抑えて、二番目に「社会的養護」が掲げられています。
私は政治家や行政の政策集を見るときに、

「内容はもちろん、掲載の順番が大事。本気度がここに現れる」

と思っているのですが、重点ポイントに載ったばかりか
上から二番目に掲載されたということで、これは東京都も本気じゃないでしょうか?!
ちなみに昨年度の資料を見ると、

2

このように、重点政策自体に社会的養護の記載はありません。
昨年1年間、私と上田都議だけでどれだけの回数、
この分野を議会質問してきたことでしょう…

社会的養護に関する過去ログ:
http://otokitashun.com/tag/%E7%A4%BE%E4%BC%9A%E7%9A%84%E9%A4%8A%E8%AD%B7/
児童養護に取り組む「こども@ホーム推進委員会」HP:
http://kidshome.jp/

もちろん他の先生方のお力や、民間団体のロビー活動などの
複合的な結果であることは言うまでもありませんが、
こうして目に見える形で行政計画に反映されるというのは嬉しいことです。

…ただまあ、せっかく記載された内容の一つが
「家庭的養護(=グループホーム・施設)の設置促進」というのは、
なんとも惜しく残念な部分ではあるのですが。。

厚労省の大失態!「家庭養護」と「家庭的養護」をごっちゃにしたツケが爆発中
http://otokitashun.com/blog/togikai/8883/

しかしながら、これも大きな第一歩。

上記の問題点は今後も厳しく指摘をしつつ、
虐待対策も含めた東京都の社会的養護に対する改善が
しっかりと行われていくよう、注視と政策提言を続けていきます。

また国政の方でも、本国会で児童福祉法の改正が審議され、
社会的養護に関するいくつかの重要事項が改善される見込みです。

3

※内閣府「子どもの貧困対策会議」決定資料より抜粋
http://www8.cao.go.jp/kodomonohinkon/kaigi/k_4/pdf/s2.pdf

【里親委託の推進】

●里親等委託優先の原則を徹底するため、都道府県の業務として、里親の開拓から児童の自立支援までの一貫した里親支援を位置付けるとともに、社会福祉法人、NPO法人等への委託を推進する。
●乳児家庭全戸訪問事業、養育支援訪問事業及び乳幼児健康診査について、里親家庭も対象であることを明確化する。
(KPI)
・ 平成 31 年度までに、里親等委託率を22%とする。(平成 26 年度 16.5%)

【養子縁組の推進】

養子縁組里親を法定化し、研修の義務化や欠格要件、都道府県知事による名簿への登録等を定める
●養子縁組の申し立て前から成立後のアフターケアまで、一貫した相談支援が重要であることから、児童相談所の業務として、養子縁組に関する相談・支援を位置付ける
●育児・介護休業法上の育児休業等の対象に、養子縁組里親に委託された者等を加える。

※強調筆者

大事なことのほんの一部の抜粋になりますが、
「位置づける」「定める」というのは、これまで法的に曖昧で
行政通知レベルだったものを、しっかりと法律に記載・規定するということです。

まだまだ完璧ではないかもしれませんが、こうした児童福祉法の改正の方向性は
非常に望ましいものであり、法制化をきっかけに都道府県などの地方行政の意識が
劇的に変わっていく可能性
も期待できます(もちろん、後押しが必要ですが)。

児童相談所の機能強化、里親・特別養子縁組などの促進によって、
保護者からの虐待によって命を落とす・成長を阻害される子どもたちが
一人でも少なくなるよう、国政・都政の立場から連携していかなければなりません。

「社会的養護元年」になるかもしれない今年。
ドラマや漫画のヒットなど、この分野に関する世論は確実に高まってきています。

本年も引き続き、ライフワークであるこの分野にしっかりと取り組んでいきます。
様々なご意見やご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い致します。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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