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町内会などの「老舗組織」の高齢化…若者不足を打破するのは「新歓イベント」ではないか?

日々のこと,

こんばんは、おときた駿@ブロガー都議会議員(北区選出)です。
新年会シーズン真っ盛りということで、組織を持っている党の方々に比べれば
半分以下だと思いますが、各種の団体や町内会の会合にお邪魔しています。

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カラオケを披露する花川よそうた区長(81)。
しかし本当に、若い人が少ないんですよねえ…。

なかには還暦を過ぎた方が「最年少」なんていう町内会もあります。
会長たちは70~80歳くらいで、「次のなり手がいない」という話もよく聞きます。

この話題についてはいとう陽平新宿区議が先日、
こちらの記事を上梓してまして、ネット上で話題を呼んでおりました。

若い世代が求める地域コミュニティは町内会ではない — 伊藤 陽平
http://agora-web.jp/archives/1666200.html

・そもそも戦時中に住民たちを統制するためにできた組織が町内会
・「意識の高い」若者が大勢いるはずだが、NPOなどに吸収されている
・町内会の行事も、可能な部分はこうしたNPOなどに外注して門戸を開いては?

など示唆深い内容になっておりますが、
現時点で町内会を無くすわけにはなかなか行かないので、ここは一つ
前向きに若者・新規会員を増やす方向性を考えてみたいと思います。

まずこうした町内会や消防団などの老舗の組織に若手が入らないのは、
その組織内に醸成されてた「内部コード(規律・規範)」が最大の障壁だと思われます。
慣習や伝統、もっと有り体に言えば「空気」みたいなものでしょうか。

培われてきた有形無形の慣習・伝統は、その組織に慣れ親しんだものにとっては
非常に心地よいものですが、新参者にとっては居心地の悪さの根源です。
そしてこうした内部コードに慣れ親しんでいくまでの

「最近の若者は、まったくわかっとらんなぁ」
「まあ○○くんも、あと3年位すれば慣れるかな!」

などの過程≒説教は、イマドキの若者にとっては罰ゲーム以外の何物でもないと言えます。
町内会は餅つきに夏祭り、神輿に防災訓練と年間を通じて様々なイベントを主催していますが、
こうした内部コードを乗り越えてメンバーを定着させるのは至難のワザと言えるでしょう。

かといって、長年のメンバーに伝統・慣習を捨てさせるのはさらに難しいことですし、
そうした内部コードこそが組織を維持している面もあるので、
こちらを無くすことも現実的ではありません。

そこで少し参考にしたいのは、
私も所属しているJC(青年会議所)という組織です。
(あまり参加できていないので、偉そうに語る立場ではないのですが…)

青年会議所も公益にかなう様々な地域イベントを担う組織で、
非常に多くの内部コードがあります。その儀礼は厳しく、

「委員長」「歴代」「直前」「理事」

などの呼称はあらゆる場で厳格に尊重されますし、
どういった立場の人には誰が接するかなどの厳密なルール・慣習は、
慣れてくれば恐らく心地よくとも、新参者には非常に複雑なものに見えます。

加えて町内会同様、専業の傍ら非常に重い負担がかかり、
年会費も18万円(!)と非常に高額になっています。少子化の波を受けて、
さすがに会員数は一時期に比べれば減少しているようです。

それでも私の所属する地元の東京JC北区委員会は、
順調にメンバー数の増加を重ね、若手新規会員の獲得に成功しています。
その要因の一つが

「拡大イベント」

と呼ばれる、新歓(新規参加者歓迎)行事ではないかと睨んでいます。
年間を通じて多く開催されるイベントとは別個に、新規会員を
リクルートするための単独行事が存在し、

「この日だけは主役は入会候補者たち。とにかく彼らをもてなそう!」

というコンセプトで立案・運営されます。
これなら、新参者でも比較的参加のハードルが低いですよね。

また、入会を検討している候補者たちは「オブザーバー」と呼ばれ、検討期間中は
各種のイベントに金銭的負担が少なく参加できる上に、専任の担当者がついて
イベント参加方法や組織内での立ち回り方についてサポートしていきます。

ご新規さんが参加するきっかけとなる新歓イベントと、
そして正式入会に至るまでの手厚いサポート。

この両輪で、厳しい内部コードを持つ組織でありながら、
そこに少しずつ新規会員を馴染ませ、加入させることに成功しているのではないかと思います。

大学などでは新入生の入学シーズンなどの「区切り」があるため、
こうした新歓イベントが存在するのが普通ですが、町内会などの永続組織になると
このような機会が失われてしまうもの。

「餅つきや夏祭りがあるんだから、そこに顔を出せば良いじゃないか!」

と中から見ると思われるのかもしれませんが、
やはり新参者にとってはその最初の一歩を踏み出すのは難しいものです。
そこに「自分たちが主役」という行事があれば、これほど心強いものはありません。

町内会には区市町村から各種イベントについて様々な助成が出ており、
懇親を深めるための町内会バス旅行などにも一定の補助金が入っています。
そうした補助金の仕組みの中に、

「新歓イベント」

を助成するものを加えることで町内会にインセンティブを与え、
新規会員獲得のためのイベント開催を促進させるのも一つの手かもしれませんね。

すでにこうした取り組みをやっている町内会もあるかもですが、
区議などを通じてわが北区にも提案してみたいと思います。

それでは、また明日。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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