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そろそろ「政治家定年制」を真剣に議論するべきでは?

政治コラム

志村・練馬区長急死
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20140225-OYT8T00074.htm

さき一昨日、練馬の志村豊志郎区長(81)が亡くなりました。
心よりご冥福をお祈りするばかりです。

しかし、このニュースに初めて触れたときに
自分に沸いてきた感情は、悔しさと怒りに似たものでした。

「どうしてこんなことになってしまったのか…!」

志村区長とは式典などで二度ほどご一緒したことがありましたが、
祝辞などを述べるのも難儀なご様子で、席に戻ってくるとフラついて、
隣の私の席に乗っかっるように座ってしまったこともありました。

もちろん、本人の意志もあったと思います。
でもなぜ、この年齢の方が区長を続けなければならなかったのか。
もっと下の世代が頑張って、後を引き継ぐことができなかったのか…。

細川・小泉W元首相コンビが都知事選挙に出張ってきたとき、
彼らを引退させてあげられなかった自分たち世代の不覚を恥じましたが、
追い打ちをかけるようにこんな事態が発生してしまいました。

私はかねてからずっと、体調に不安がある方や任期を
全うできない可能性が高い方は、政治家になるべきではないと思っています。
だって、病気で倒れたり亡くなったりするのって、最大の公約違反じゃないですか。

今回、任期半ばでお亡くなりになった志村区長は
23区最高齢でしたけど、他の区長たちの年齢も並べるとこうなります。

-80代-
練馬区:志村豊志郎(81)

-70代-
北区:花川輿惣太(79)
渋谷区:桑原敏武(79)
江戸川区:多田正見(79)
豊島区:高野之夫(77)
中央区:矢田美英(73)
台東区:吉住弘(73)
荒川区:西川太一郎(72)
大田区:松原忠義(71)
江東区:山崎孝明(71)

-60代-
新宿区:中山弘子(69)
墨田区:山崎昇(69)
千代田区:石川雅己(68)
中野区:田中大輔(68)
品川区:濱野健(67)
葛飾区;青木かつのり(65)
港区:武井雅昭(61)

-50代-
目黒区:青木英二(59)
世田谷区:保坂展人(58)
板橋区:坂本健(55)
足立区:近藤やよい(55)
杉並区:田中良(54)
文京区:成澤廣信(53)

23人合わせて1,556歳、平均年齢は67,7歳です。
(合わせる意味はまったくないけど)

いわゆる「生産年齢(65歳以下)」は8名だけで、
経験が重要とはいえ、いささか高すぎるのではないでしょうか。。

首長の決定はその街の20年後、30年後の姿を決定づけます。
すでに彼らの振舞が、未来に大きな影響を残していくのです。
ならば、未来に責任が持てる世代に期待するのがあるべき姿のはず。

本来であれば、政治家自らが「潮時」を判断して身を引くべきですが、
中野区長に至っては自ら「3期以上の多選は原則禁止する」という条例を
作っておいて、見事にそれを翻して時期中野区長選挙への挑戦を明言しています。
なんだそれ…

[東京・中野区長選・現職が立候補の考え表明]
http://jcc.jp/pc/list/w03_41992864931.html

>区長の任期が連続で3期を超えないよう努めるとする
>多選自粛の条例を制定している東京・中野区で、任期満了に伴い
>6月に投票が行われる区長選挙に、現職の中野区・田中大輔区長が
>4期目を目指して立候補する考えを表明した。

残念ながら(わかっていたけれど)、政治家というのは
自らの引き際を決められない人種のようです。お恥ずかしい話ですが、
こうなればルールを作ることも視野に入れなければなりません。

ちなみに各政党、一応の年齢制限は設けているところが多いです。
公明党以外はほとんど、有名無実化していますけど…。
その公明党ですら最近、年齢制限の引上げを表明しました。

高齢化社会反映? 公明、議員定年66から69歳に引き上げ
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140128/stt14012809080000-n1.htm

>同党は所属議員の多選による政治とのしがらみを避けるため、
>他党に比べ、定年年齢を低く抑えてきたが、急速に進展する
>高齢化の波にはあらがえなかったようだ。

ただし、定年制を議論するのであれば、
年々シビアになる議員の懐事情も勘案しなければなりません。

>同党の定年年齢引き上げの背景には、国、地方とも議員年金が廃止され、
>現行のままでは公的年金支給開始までの間に長期間の
>収入の空白期間が生じてしまう
という事情もあった。

賛否はあると思いますが、この練馬区長選挙をきっかけに
政治の若返りが争点になり、様々な議論が起こることを願います。

ではでは、今日はこの辺りで。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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