もっと、新しい日本をつくろう

「ぼくらの政策」から、民主主義を問いなおしてみる

政治コラム

さて、都知事選挙が終わって早一週間が経ちましたが、
ネット上で旋風を巻き起こした家入元候補の

「ぼくらの政策」
http://ieiri.net/policy/

を元に、いま一度
選挙や「民主主義」を考えてみたいと思います。

選挙期間スタート時に「政策」や「公約」を持たず、
SNSを通じた意見を集約して政策を創りだした
前代未聞の家入元候補の「ぼくらの政策」。

選挙においてインターネットの双方向性を
存分に引き出した例として、私自身も大変面白いと思いましたし、
現職議員や政治家からも「パクらせて欲しい」との声が相次いでいます。

ぼくらの政策@久喜
http://ameblo.jp/kishi-n-kuki/
家入一真さんごめんなさい丸パクリします宣言―「ぼくらの板橋」始めました
http://www.huffingtonpost.jp/jouta-nakatsuma/1_15_b_4757664.html

ただ、

「まったく新しい政治の形だ!」

という意見については、ちょっと異議を唱えたい。
家入さんの手法が新しいのは、

・選挙期間中に
・インターネットを通じて

政策を募集・立案を行ったという2点であって、
「有権者の声を聞いて政策立案をする」ということ自体は、
どんな政治家であっても多かれ少なかれやっているのである。

そもそも、全員で議論するのが難しいから、その代表者である
議員(政治家)に声を集めて決めてもらおうというのが間接民主主義であり、
どんな政治家でも誰かしらの声を必ず代弁しています。
(それがたとえ、既得権益やしがらみだらけの業界団体であっても)

そのために政治家たちは、靴をすり減らして地域をまわり、
色々な声や地域の問題を集めて政策に反映させます。

新年会や盆踊りなどに、票のために回っていることは
半分…いや7割くらいはそうだと思うけれど、地元の人から
「ぼくらの政策」を集める行為の一旦であることも、また事実です。

今回、家入さんは若者にわかりやすい
「インターネット」という手法を通じて、政策の声を集めました。
だからこそ政治を知らなかった若者には、目新しく感じたことは確かです。

しかしながら、年配の人たちが「インターネットの中のことはわからない」
というのと同じくらい、若者たちも地域や自分たちの街で行われていること、
そのあらゆる部分に「政治」が絡んでいることを知らない
のではないでしょうか。

大雪の日、若者たちがネットで情報交換をしている間に、
地域の消防団の人たちが、消火栓を中心に雪かきしていることを知ってますか?
そこには必ず、何名かの区議・市議さんがいて情報交換をしています。

僕らが都心に遊びにいく週末、地域では餅つきが行われます。
これに準備段階から関わっている議員さんは、またそこでもしっかり
地域の声を集めて、それを次の議会に反映させるべく頑張っています。

結局のところ、お互いがお互い見えないところから
「僕らの声は反映されない」「政治家は、人の話しを聞いてくれない」
言い合っているのが、世代間が断絶した日本政治の悲劇とも言えます。

チープな表現にはなってしまうけれど、
少しでも状況を良くするには「歩み寄り」しかない。

インターネット上で政策を募ったり、若者の声を集約するのも
もちろん大切だし、今回その一歩を踏み出した家入さんと
その周りの活動には今後も一層注目していきたい。

ただ同時に、
いままで若者に見えてこなかった「地域の活動」を可視化することも、
インターネットの大切な役割ではないかと思うのです。

幸運にも泥臭い政治の現場に入った私は、
そこにある別の事実を見つけることができました。

であれば、その両者をつなぐことこそが、
「ネットを駆使した次世代議員」たる自分に
課せられた役割なのではないか…。

なんてことを考える週末です。
皆さまも少しだけ、ネットを離れて
リアルな地域の活動を覗いてみませんか?

 

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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