もっと、新しい日本をつくろう

「めんどくさい」が未来を滅ぼす

政治コラム

いかに最近の若者が政治に関心が薄いとはいえ、
みなさんの周りにも一人くらいはやたら熱く政治や社会を語るキャラがいると思います。
そういう人って、周囲からどう思われているでしょう??

ズバリ、「めんどくさいヤツ」ではないでしょうか。

そんな疑問を持ったわたくしオトキタも最近、敢えて飲み会で政治を語るという
社会実験(?)をしばらく続けてみた結果、順調に周囲からは

「彼って面白いけど、ちょっとめんどくさいよね」

という評価をいただいていると耳にしました!(号泣)
ぐーれーてーやーるー

僕も若者の政治参加や投票を促進すべくコラムを書いているわけですが、
若者が政治から離れている原因として挙げられる

「腐敗した政治に絶望している」
「高齢者の方が多いため諦めてしまっている」
「政治に関心を持たせない教育が悪い」

などは、すべて言い訳だと思います。
はっきりいって一番は「めんどくさいから」です。

ではなぜ、「めんどくさい」と思ってしまうのでしょうか。
政治や選挙が大切だということはみんなわかっているはずなのに、です(多分)。

端的に言えば、いま僕たち若者世代にはほとんど危機感がありません。
社会学者の古市憲寿氏の調査によると、若者のなんと7割が

「現状に満足している(不満はない)」

と感じているそうです。
若者の閉塞感が、これほど叫ばれる世の中において!
(ただし、不安を抱く若者は増加傾向のようですが、これはまた後日)

この事実を知った時、僕は色々なものがストンと腑に落ちました。
なぜ若者は不満を持たないのか。現状を変えようとしないのか。

まず第一に、僕ら若者世代は現状ではかなり恵まれているということです。
大半の人が幼少のころから着るものにも食べるものにも困らず、高等教育を受け、
物心ついたときにはクーラーやパソコン、インターネットが当たり前にありました。

一部の若者たちが

「既得権益層だ!持っているリソースを手放せ!」
「経済成長の恩恵を享受するだけして逃げようとしている!卑怯だ!」

と憤る団塊の世代と比べても、
現状だけ見ればとても恵まれた青春時代を送っています。

そして第二にその「恵み」が実は、
まさにその団塊の世代の親たちによってもたらされていることです

団塊の世代の親たちが建てた家で育ち、彼らの所得によって学校に通い、
携帯電話やインターネットを自在に使いこなして遊ぶ。

この時点で若者はすでに唾棄すべき大人たち、いわゆる「既得権益層」の共犯者であり、
心のどこかでその事実を感じ取っているのではないでしょうか。

つまり今の若者は自分の親世代、「既得権益層」が豊かである限り、
そのリソースにあやかってそれなりに幸福な毎日を送れてしまっています。

もう少しだけこの立場を手放したくない、先行きの短い既得権益層。
そして彼らのおこぼれにあずかっている限り、それなりに幸福な若者たち。

この二つの利害が見事に重なりあって、「現状維持」を選択し続けているのが
まさに今の日本社会であり政治の姿なのですね。

そりゃあぬるま湯に使っていれば楽ですし、
今の状態を変えるのは「めんどくさい」ことでしょう。

しかし当然のことながら、こんな状態が長く続くはずがありません。

割けられぬ運命として、人は年をとるからです。
やがて既得権益層は死に、そのリソース(資源)とともに社会から消え去ります。
いや消える前に医療費や介護費で、そのリソースを食いつぶすかもしれません。

いずれにせよその時はじめて、恩恵にあずかっていた「若者」たちに危機が訪れるでしょう。

その頃には当然の帰結として、「若者」であった層も50代、60代になっています。
そして、次の『若者』たちにこう言われるのです。

「こんな社会に誰がした!」
「こうなるとわかっていて、どうして何もしなかった?!」

「めんどくさい」に劇的な処方箋はありません。
僕が今このコラムでできることは現状を示し、リアルな未来を想像する手助けをすることです。

今の我々(若者世代)は、政治の腐敗に絶望し、既得権益層に憤り、
何もしてこなかった大人たちに侮蔑の目を投げつけています。

「こんな社会に『誰が』した」
「『誰か』早くなんとかしろ」

とぬるま湯に浸かりながら叫び、主体性も危機感もなく、
いわば幸福な「その日暮らし」にそれなりに満足して過ごしています。

この態度は果たして、我々の未来に何をもたらすのでしょう。

今の大人たちが既得権益を吸って問題を先送りしたように、
我々も「めんどくさい」と言ってすべてを先送りしようとしているのかもしれません。

自分の子供たちに、

「あんたらがナマクラだったから、日本がダメになっちまったんだよ!」

と詰め寄られる姿をリアルに想像して見てください。

政治に参加するのは、めんどくさいですか?
政治を語る人は、めんどくさいヤツですか?

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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