もっと、新しい日本をつくろう

体制維新 -いま、大阪で起こっていること(前)-

政治コラム

大阪市長選 平松氏・橋下氏立候補

http://bit.ly/sbe8mu

いよいよ13日、大阪市長、府知事のダブル選挙の告知日となりました。
現職の平松市長に、何かと話題の「大阪維新の会」元府知事の橋下徹が挑む、という構図です。

しかしながら、ニュースでは頻繁に取り上げられるものの、
大阪に在住している方以外は(むしろ住んでいても?)イマイチ

「いま、大阪で何が起こっているの?」
「どうして橋下さんと平松さんは、あんなに対立しているの??」

ということがわからないのではないでしょうか。

僕も生粋の東京都民であり、大阪の地理や事情には明るくないのですが、
今回の選挙は日本の未来を占うかもしれない重要なものであると思っています。
なので、今日は少しだけ大阪の話をしたいと思います。

◆大阪府VS大阪市の対立、「二重行政」「二元行政」◆

今の大阪が抱える最も大きく、そしてわかりやすい問題が
府と市による二重行政です。僕も正直、この問題に関心を持つ前は

「府知事>>市長でしょ。府知事が市長に指示出せばいいじゃん。
なんで大阪はこんな揉めてるの??」

くらに思っていたのですが、実は大阪市は大阪府の中にあって
歴史的になぜか完全に独立した行政自治体になっているのです。

府が決定したことでも、市が認めなければ大阪市内では行えない。
大阪市のことは大阪市がやる。

どういうわけかこの「慣習」が、大阪ではまかり通ってきました。
でもこれ、よく考えるとおかしいですよね?

大阪府の人口は800万人以上。
対して、大阪市民は260万人です。

府知事選挙は、当然大阪市民も選挙権を持っています。
府知事は大阪市民を含めた府民全員の民意で選ばれています。
対して、大阪市長は当たり前のことながら、大阪市民の民意しか受けていません。

なのに、大阪府知事が「大阪全体にとってプラスになる」と考えて推進しようとする政策に、
大阪市内が絡む案件に関しては「大阪市内に不都合だから、嫌だ!」と市長が拒否できる。
簡単に言うと、これが今の大阪の問題です。

例えば大阪市内を通って遠方から関空に直接高速道路、鉄道を敷こうとします。
遠方の府民にとってはイチイチ大阪市に出なくても空港に行けるので便利になりますが、
市内を素通りされてしまうようになる大阪市にとっては旨みのある話ではありません。

すると、大阪市は「これは大阪市内に道路(鉄道)を敷く問題だから」と抵抗する。
府知事はそれに対して、指示命令ができない。結果、事態が膠着する。
大阪府全体にとってプラスになることが実施できない…。

他にも大阪市内に「市立」と「府立」の大学や図書館、病院が2つずつできたりと
府と市が独立する現在の大阪の行政システムには問題が山積みなのです。

かつて大阪市が名実ともに大阪の政治的・経済的中心であり、
大阪市=大阪府であった時代であれば、それも良かったのかもしれませんが、
関空の例ひとつ取っても今やそれが大阪府の全体最適にならないことはあきらかでしょう。

また、大阪市は東京同様に「区」がありますが、東京都と違い
区長たちは選挙で選ばれる政治家ではなく、市長が指名する役人です。

260万人もの市民を「大阪市長(市役所)」が一手に引き受けるという、
非常に非効率的かつ独裁的なシステムが構築されています。

これらを抜本から改革しよう、府も市も一端解体して、クリアでわかりやすいシステムにしましょう、
というのが橋下さんの言う「大阪都」構想(の一部)なのです。

なので彼は石原慎太郎都知事が誤解するように、
「都」というワードにこだわっているわけではないのですね。

ではなぜこの大阪の行政改革が、日本にとっても重要な選択になるのでしょうか。
ここからいつもの

既得権益
利権

などなどのキーワードが出てくるわけですが、
長くなってきたので、次回に続きまーす。

そうこうしてる間に、選挙が終わっちゃったりして…(ボソッ)

大阪のダブル選挙まで、あと13日。

個人献金のお願い
ボランティアスタッフご登録のお願い
音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

友だち追加
twitter @otokita
Facebook おときた駿
Instagram @otokitashun

ページトップへ