もっと、新しい日本をつくろう

とっとと18歳以上に選挙権あげようぜ

政治コラム

イタリアの「国民投票」で、脱原発が可決されました。

原発凍結賛成は94% イタリア国民投票、開票終わる

http://www.asahi.com/international/update/0614/TKY201106140106.html

ちなみに、多くのニュースの見出しに「9割以上が原発凍結に賛成」等と書いているので
勘違いされている方が多いのですが、この国民投票の投票率は55%前後です。

原発凍結に反対する人は、国民投票の無効(投票率50%以下)を狙って
「棄権」という投票行動を取るので、実際には9割以上のイタリア人が
原発を拒絶したわけではありません。世論はそれなりに拮抗していると言えるでしょう。

「イタリアでは9割の人が反原発!それに比べて日本は…」

なんてうっかり言っちゃうと、
ちょっとアレな人だと思われちゃうから気をつけようぜ!

…いきなり話しがそれました。
これを持ちまして、日本でも

「国民投票で、原発の是非を問おう!」

という機運が一部で盛り上がりをみせておりますが、
僕はここから原発には一切触れず華麗に別の話しをします。←

「国民投票」というと、日本では一度も行われたことがなく、
憲法改正の是非と問うための制度なので、原発の賛否などには
制度上使用することができなかったりするのですが、それもさておき。

国民投票に関わる法律、所謂「国民投票法」を見てみると、
多くの人が知らない(もしくは忘れている)興味深い条項に気が付きます。
長くなりますが、引用しますね。

投票権者は18歳以上の日本国民(3条)。ただし、《18歳以上の者が国政選挙で投票できるように公職選挙法の選挙権の年齢や民法の成人年齢(20歳以上)などの規定について検討し必要な法制上の措置を講じて、18歳以上の者が国政選挙で投票することができるように改正するまでは》、国民投票の投票権者も20歳以上とする(附則3条)。

太字にした部分と、特に《》部分にご注目下さい。

こちらの法律、安倍内閣時代の2007年5月に公布されたものなのですが、
18歳以上に選挙権を与えることを前提にした法律なのです。

「ただし」と但し書きがついているように、公選法や民法での規定が20歳以上となっている間は
暫定的に20歳以上で実施することになっているが、できるだけ速やかに両者を改正し
18歳以上に投票権を与えましょう、と。そういう意味合いを持つ強力な法律なのですね、コレは。

2007年当時、高齢者の激増に伴い世代ごとの数のバランスを取るため、
選挙権の年齢引き下げの必要性が指摘・議論され、ようやくこの法律が可決されたのです。

ところが。

ご存知の通り、安倍内閣は志半ばで早期崩壊。
続く福田政権、麻生政権もイニシアチブを握れず、
公職選挙法と民法の改正はひたすら先送りになりました。

で、民主党政権はというと…。

2009年の「民主党政策集」には、こんな記載があります。

「選挙権年齢の引き下げ」
選挙権を18歳から付与する法律を国民投票法に合わせて施行します。
わが国の民主主義をより成熟したものにするためには、国民が政治に参加する機会を拡大し、
多様な意見を政治に反映できるようにすることが必要です。

http://www.dpj.or.jp/policy/manifesto/seisaku2009/05.html

うむうむ、よくわかってるじゃないか!まったくもってそのとーり!
では、政権を取ったし迅速に実施してくれるんですよねっ?!

千葉景子法相(当時) 「拙速な結論は出せない(キリッ)

…なんだったんでしょーね、この人は。

勿論、成人年齢の引き下げに色々な議論はありますが、
政策集に掲げたことをあっさり反故する姿勢はどこでも変わらないようです。

というわけで、2007年から我が国では法律に反し(但し書きがあるので違反ではないけれど…)
選挙権が18歳~19歳に与えられない状態が続いているのです。

もちろん、僕の主張はただ一つ。

若い意見を反映させるため、18歳以上への一刻も早い選挙権を!

数は力なり。これを恐れる既得権益者たちはありとあらゆる手段で
これからも成人年齢引き下げの先延ばしを仕掛けてくるでしょう。

しかし、忘れてはいけません。国民投票法は、18歳以上の選挙権を明示していることを。
そして時代は、若い意見を求めていることを。

未来を作るのは、老人ではない。

「若者に夢を」「将来世代にツケを回すな」「命ある限り、子どもたちのために尽くす」

そう言って下さるオトナたちには申し訳ないけど、未来は自分の手で掴みとるよ。
僕らが求めていることは、自分たちの意思が反映される政治なのだから。

そんなことを思った、今回の国民投票なのでした。
ではまた来週!

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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