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平成25年10月25日 各会計決算特別委員会 質問内容(教育庁)

委員会

〇おときた委員 私からは、教育管理費の中から教育庁人材バンク事業についてお伺いいたします。
 学校に外部人材を効率的に供給するための仕組みとして、平成二十二年度から教育庁人材バンク事業がスタートしており、平成二十四年度も三千万円近くの予算が執行されております。ボランティアで登録した市民と公立学校をマッチングさせ、教科指導や部活動指導、特別支援などを行っていく非常に有意義な取り組みであり、高く評価されるものです。
 そこで、こちらの事業が始まってからの人材バンクへの登録者数の推移と実際の活動状況について教えてください。

〇加藤人事部長 都教育委員会では、さまざまな分野の外部人材を活用し、学校における学習指導や部活動の充実を図るために、平成二十二年度に教育庁人材バンクを設置しました。人材バンクの登録者数は、平成二十二年度は約二千九百人、平成二十三年度は約七千九百人、平成二十四年度は約八千二百人です。また、活動状況は、平成二十二年度は約七百人、平成二十三年度は約三千四百人、平成二十四年度は約三千五百人となっております。
 平成二十四年度の主な活動内容は、教科指導が約二千三百九十人、特別な支援が必要な児童生徒への対応が約五百七十人、部活動指導が約二百人となっております。

〇おときた委員 この人材バンクへの登録は、一般公募によるものと団体登録によるものがあると聞いております。協力団体との連携強化はもちろん大切ではありますが、登録者数をふやして、より事業を推進していくためには、一般公募による個人登録をふやしていかなければならないと考えます。現時点での登録者の内訳を教えてください。

〇加藤人事部長 本年十月一日時点での一般公募による登録者数は八百五十五人です。登録者の主な内訳は、大学生、大学院生が約三百人、講師等経験者が約九十人、教員退職者が約五十人となっております。

〇おときた委員 八千人近くの登録がある中で個人の登録者がまだ数百名ということで、三年目ということもあって、すばらしい事業であるものの、まだまだ都民に浸透しておらず、拡大の余地があることがわかります。
 とりわけポテンシャルがあると思われるのは学生です。東京都の強みは全国一の学生数です。平成二十三年度の学校基本調査によれば、東京に通学する学生、大学院生は約七十一万八千人です。これはとてつもなく大きな可能性で、例えば東京にある小学校の総学級数は約一万九千、もしも東京の大学生、大学院生のうち、たったの三十七人に一人が小学校での学校サポートに携われば、一学級に一人以上の学校サポーターを確保できるという計算になります。
 この単純計算の結果からも想像がつくとおり、大学生や大学院生の力をもっと有効に活用していくことで、東京都の小中学校の教育水準、教育環境を大きく改善できる余地があります。
 また、学生サイドとしても、貴重な教育現場の経験を積むことができる一石二鳥の制度でもありますし、今後はより都内の大学、大学院との連携や学生に対する事業の周知徹底が重要になるかと思いますが、学生登録者数をふやしていくための現時点での取り組み状況を教えてください。

〇加藤人事部長 学生の登録者数をふやすため、都内の各大学を訪問し、担当者に人材バンク事業の説明を行うとともに、登録者向けリーフレットやポスターを配布し、登録への働きかけを行っております。また、今年度から、人材バンク事業での学校活動事例などをコンパクトにまとめた登録促進カードを作成し、教員採用選考の説明会での配布や大学に対する学生への配布依頼を行うなど、学生の登録促進に取り組んでおります。

〇おときた委員 現状でもさまざまな取り組みをされていると思いますが、この教育庁人材バンク事業をよりよいものにしていくためには、ボランティア登録者や学校の支援ニーズを待っているだけではなく、より積極的にそれらを掘り起こしていく、そういった手だてを講じていく必要があるかと思います。
 例えば、ボランティア登録者をふやすための方策としては、教員採用と連動させるというやり方も考えられます。教育ボランティアをインターンシップとして位置づけて、そこで優秀な働きをした者に選考過程で何らかのプラス措置、優遇措置がなされるといった仕組みです。また、中長期的なボランティア、教育ボランティアを教職課程に織り込んで単位認定をしてもらえるように大学側に働きかけていくということも考えられるのではないでしょうか。
 一方、利用する学校側の支援ニーズを掘り起こすためには、幾つかの学生活用モデルケースのようなものをつくって、そこでの実践例を他校に示していくのが効果的ではないでしょうか。個別補習やクラブ活動の指導など、学生ボランティアの活躍の場は限定的になりがちですが、実際には授業準備の手伝いや簡単な小テストの採点など、教員の負担を減らすためにできることはもっと多いはずです。まずは先進校でこんなこともできるという実績を積み、その情報共有を通じて他の学校にも学生活用の大きな可能性に気づいてもらう必要があります。
 これらはほんの一例ではありますが、このように学生活用の強化策を都がリーダーシップを発揮して進めていくことによって、今よりももっと多くの教師をサポートできるようになって教育環境が大きく改善するかと思いますが、今後の取り組みについての展望をお聞かせください。

〇加藤人事部長 学校の教育力を高めるためには、さまざまな分野のすぐれた外部人材を積極的に登用し、教員と外部人材が連携しながら教育活動に取り組むことが有効です。また、大学生等が本事業を活用し、学校でさまざまな活動を行うことは、社会貢献に対する意識を高めるとともに、コミュニケーション能力の向上や職業観、就労意識の涵養を図る上で有用な経験になるものと考えております。
 このため、学校に対しては本事業の普及促進を目的に作成している人材バンクニュースの中で大学生等の効果的な活用事例を取り上げ、新たな需要を喚起してまいります。また、大学生等に対しては、人材バンクのホームページや教員志望者向けに発信しているツイッター等を活用し、活動によって得られる成果を周知することで関心を持たせ、学校での活動促進を図ってまいります。

〇おときた委員 学校の教育環境の向上における人材バンク事業の有効性と、またこの事業に参加する大学生の側への効果をしっかりと認識されていることと思います。
 また、ツイッターなどSNSを活用した発信を行う等、具体的な対策をお示しいただいたことも評価させていただきたいと思います。
 私の方が先ほど述べさせていただいた選考過程への導入や学校側との単位認定連携などの具体的な施策にもぜひとも前向きに検討いただき、まだ若い本事業をますます発展させていただくことを切望いたしまして、私からの質問を終わります。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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