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平成26年12月22日 厚生委員会意見開陳

陳情の審査
1 二六第七二号 七十歳から七十四歳の高齢者の医療費の窓口負担に関する陳情
特定事件の継続調査について

〇遠藤委員長 ただいまから厚生委員会を開会いたします。
 初めに、意見書について申し上げます。
 過日の委員会で理事会にご一任をいただきました意見書二件につきましては、調整がつかなかった旨、議長に報告すべきであるとの結論になりましたので、ご了承を願います。

〇遠藤委員長 本日は、お手元配布の会議日程のとおり、付託議案及び陳情の審査並びに特定事件の閉会中の継続調査の申し出の決定を行います。
 これより付託議案の審査を行います。
 第百八十四号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、厚生委員会所管分、第二百十三号議案から第二百三十四号議案まで、第二百四十七号議案から第二百六十号議案まで及び議員提出議案第二十二号を一括して議題といたします。
 本案につきましては、いずれも既に質疑を終了しております。
 この際、発言の申し出がありますので、これを許します。

〇和泉委員 議員提出議案第二十二号、高齢者の医療費の助成に関する条例に賛成の立場から意見を表明いたします。
 本条例は、東京社会保障推進協議会から、一万人分を超える署名とともに提出をされた七十歳から七十四歳の高齢者の医療費の窓口負担に関する陳情と一括で審議されました。街頭で配布された署名はがきは、締め切った後も、まだ届いているということです。
 今回の特例措置の廃止で、高齢者の状況を考慮して、所得の低い高齢者の窓口負担を一割にしていたものを二割にしてしまいました。はがきによる署名が現在も届き続けているということは、二割負担となった方たちへの負担の重さがじわじわと家計に影響を与えていることを示しているんではないでしょうか。毎年年金が削られ、消費税増税や保険料の値上げによる暮らしの不安、そこに加えて、病気になったときの医療費の不安までが高齢者の暮らしに重くのしかかっているんです。生命保険からお金を借りて赤字分を補填しているけど、借りられる金額には限度があるから、そうなる前にお迎えが来るといいと思っているという方もいました。
 高齢者の負担は応分どころか、負担できる限度を超えています。先日の質疑の中で私が示した厚労省の資料でも、七十歳を境に年収が低下する中で、たとえ窓口負担が三割から二割に下がっても、年収に占める医療費の割合は変わらないということが明らかになっています。平均年収に満たない方たちにとっては、より負担の割合は重くなるはずです。今以上に医療を受ける機会が均等に保障されず、お金のあるなしに左右されるということではありませんか。東京でそのような実態が広がることを防ごうではありませんか。
 世代間の公平性という理由で、国は負担増を決めました。しかし、社会保障は本来、所得の再配分であって、世代間の公平という観点で考えるのは正しくありません。
 しかも、多くの高齢者にとっては年金だけで暮らせる額が支給されない以上、高齢の親の暮らしを支えるのは、この世代になりかねません。七十代の親を持つ世代といえば、高校生、大学生の子がいて、教育に一番お金がかかるという家庭も多いはずです。
 私は年金だけでは暮らせないけど、子供たちも孫の教育費にお金がかかるから、こっちまで援助してくれといえない、そういう話を幾つも聞いてきました。高齢者の負担を軽くするということは、現役世代が親にかかる費用の心配が軽くなるということです。負担が軽くなった分を暮らしの別なところに使うことができます。全ての世代を支えることにつながります。
 全日本民医連の調査では、昨年一年間に、経済的な理由のために治療が手おくれになり、死亡に至ったケースが、全国の民医連加盟の病院と診療所で五十六件ありました。東京でも三件発生しています。
 委員の皆さん、いま一度、医療費が高いためにぐあいが悪くても我慢してしまう高齢者が多くいるということに思いを寄せてください。少なくとも私たちが暮らすこの東京から、そういう高齢者をなくすためにぜひとも力を合わせようではありませんか。
 委員の皆さんの賛同を心から呼びかけ、意見表明といたします。
 百八十四号議案、補正予算と、二百三十三号、東京都地域医療介護総合確保基金条例についてです。
 今回の補正予算は、保育従事者の処遇改善に直接つながる保育従事職員宿舎借り上げ支援事業を初め、第三回定例議会で可決された借地料の一時金補助、借地料補助を障害者施設に適用拡大するなど、福祉インフラ整備への都の積極的な姿勢は評価できるものです。
 制度を最大限有効に活用できるよう、積極的な情報提供などを行うよう求めておきます。
 東京都地域医療介護総合確保基金条例については、我が党は、医療介護総合的確保推進法には反対の立場です。しかし、本基金で行われる看護師、医療従事者の確保や、地域包括ケアシステム構築に向けた基盤整備は、地域医療を充実させるのに役立つものであることから、この基金条例にも賛成します。
 今後の基金の活用に当たり、国が狙うような上からの病床削減、病床再編による医療費削減ではなく、都民が必要としている医療、介護施策を充実させる立場での活用に努めるよう強く要望します。
 以上です。

〇おときた委員 議員提出議案第二十二号、高齢者の医療費の助成に関する条例に対しまして、かがやけTokyoを代表して、反対の立場から意見を申し上げます。
 同種の内容の陳情についても、複数の委員の方から過日ご指摘のあったとおり、超少子高齢化を迎えるのが確実視される我が国においては、持続可能な社会保障制度の構築に向けた見直しが欠かせません。
 現在の医療費には、上がり続ける社会保険料に加えて多額の税金も支出されており、その多くは働く現役世代の負担となっています。これからは、受益と負担の観点から、高齢者の方々に一定の負担をお願いしなければならないのは確実であり、我が会派は政府の方針を支持するもので、世代間格差の問題から見れば遅きに逸したとすら感じるほどです。
 本条例案についても、特定の世代にのみ助成を重ねる制度設計は、世代間格差の点から問題があると考えます。また、我が国では、もはやその金融資産の六割以上を高齢者が占めるという現実の中で、所得のみで医療費の負担額を調整することにも疑問がありますし、低所得者層の負担増による受診抑制は見逃せない問題である一方、いわゆる茶飲み受診とも呼ばれる、本来必要のない方が受診されることによる医療費の膨張も懸念されています。
 低所得者層、生活困窮層への対応は一律ではなく、別の形をもって行われるべきではないでしょうか。
 今後は、医療を初めとする社会保障制度には、世代間だけではなく、世代内で支え合う仕組みの導入も検討される必要があると考えます。
 また、親世代への負担を減らすことで、現役世代へも支援が行われるということですが、これについても、それであれば、直接、現役世代に支援をする方が効率的であると考えます。
 以上の観点から、都民の福祉増進を願う本条例案の趣旨には大きな敬意を払いながらも、かがやけTokyoは反対の立場を表明させていただきます。
 以上です。

〇遠藤委員長 発言は終わりました。
 これより採決を行います。
 初めに、議員提出議案第二十二号を採決いたします。
 本案は、起立により採決をいたします。
 本案は、原案のとおり決定することに賛成の方はご起立願います。
   〔賛成者起立〕

〇遠藤委員長 起立少数と認めます。よって、議員提出議案第二十二号は否決されました。
 次いで、第百八十四号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、厚生委員会所管分、第二百十三号議案から第二百三十四号議案まで及び第二百四十七号議案から第二百六十号議案までを一括して採決をいたします。
 お諮りいたします。
 本案は、いずれも原案のとおり決定することにご異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇遠藤委員長 異議なしと認めます。よって、第百八十四号議案、平成二十六年度東京都一般会計補正予算(第四号)中、歳出、厚生委員会所管分、第二百十三号議案から第二百三十四号議案まで及び第二百四十七号議案から第二百六十号議案までは、いずれも原案のとおり決定をいたしました。
 以上で付託議案の審査を終わります。

〇遠藤委員長 次に、陳情の審査を行います。
 陳情二六第七二号を議題といたします。
 本件につきましては、既に質疑を終了いたしております。
 これより採決を行います。
 本件は、起立により採決いたします。
 本件は、採択とすることに賛成の方はご起立を願います。
   〔賛成者起立〕

〇遠藤委員長 起立少数と認めます。よって、陳情二六第七二号は不採択と決定をいたしました。
 以上で陳情の審査を終わります。

〇遠藤委員長 次に、特定事件についてお諮りいたします。
 お手元配布の特定事件調査事項につきましては、閉会中の継続調査の申し出をいたしたいと思いますが、これに異議ございませんでしょうか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

〇遠藤委員長 異議なしと認め、そのように決定をいたします。

〇遠藤委員長 この際、所管二局を代表いたしまして、梶原福祉保健局長から発言を求められておりますので、これを許可します。

〇梶原福祉保健局長 お許しをいただきまして、当委員会所管両局を代表いたしまして、一言御礼のご挨拶を申し上げます。
 本定例会でご提案申し上げました議案につきましては、ただいまご決定をいただき、まことにありがとうございました。
 ご審議の過程で頂戴いたしました貴重なご意見、ご指摘等につきましては、今後の事業執行に反映させてまいりたいと存じます。
 また、病院経営本部とも、引き続き緊密な連携を図りまして、さらなる施策の充実に努めてまいる所存でございます。
 今後とも、より一層のご指導、ご鞭撻のほどをお願い申し上げまして、御礼のご挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

〇遠藤委員長 発言は終わりました。
 これをもちまして本日の委員会を閉会いたします。

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音喜多駿

おときた駿
参議院議員(東京都選挙区) 40歳
1983年東京都北区生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループ社員を経て、2013年東京都議会議員に(二期)。19年日本維新の会から公認を受けた参院選東京都選挙区で初当選。21年衆院選マニフェストづくりで中心的役割を担う。
三ツ星議員・特別表彰受賞(第201~203国会)
ネットを中心とした積極的な情報発信を行い、ブログを365日更新する通称「ブロガー議員」。ステップファミリーで三児の父。
著書に「ギャル男でもわかる政治の話(ディスカヴァー・トゥエンティワン)」、「東京都の闇を暴く(新潮社)

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