ひらけ、東京!!

平成27年3月24日 予算特別委員会質問内容(財務局)

〇おときた委員 私からは、財政運営、特に都債と基金についてお伺いをいたします。
 この十年間、都の起債依存度は一〇%以下を推移しておりますが、一般会計部分の都債残高は、平成二十七年度で約六・二兆円となり、微減をしているにとどまります。
 都債の発行の理論的根拠となっているのは、地方財政法第五条一項ですが、国債と同様、あくまで原則は不発行です。我が国では一九六六年から、原則不発行の例外とされていた建設国債の概念の方が強く主張されるに至り、将来世代に負担なき受益は発生させないという世代間の負担均衡の考え方、いわゆる世代間の負担受益一致論から、建設国債の発行が常態化するに至りました。
 しかしながら、果たしてこの理論における国債、地方債、まとめて公債と称しますが、この発行は果たして正しいのか、その議論はいまだに決着を見ておりません。
 特に地方債に関しては、人口の社会移動の問題が指摘されています。地域をまたいで人口は常に流動していますから、地方債を負担する人々と、それによって将来恩恵をこうむる人が一致するとは限らないというわけです。
 加えて、負担受益一致論に立てば、世代間格差が指摘される社会保障制度など、複合的な要因も勘案しなければフェアとはいえません。
 世界を見渡せば、ドイツのように新規国債の発行をゼロにし、完全に財政を拮抗させた例も見られます。こうした点も踏まえて、プライマリーバランスが黒字となっている東京都があえて都債の発行を続ける見解を、いま一度伺います。

〇中井財務局長 都債は、地方財政法に基づき、将来にわたり使用される施設等の費用を将来世代にも負担してもらう、いわゆる世代間の負担の均衡を図る機能を有しており、社会資本ストックの整備に当たり重要な財源となっております。
 また、これに加え、年度間の財源調整や一般財源の補填等の観点からも重要な役割を果たしております。
 さらには、財政の健全性を維持し、後年度の財政負担も見据えた上で、都債の持つ機能を弾力的に活用することで、地域経済の基盤を涵養し、将来にわたる住民福祉に寄与し、結果的に担税力を高めることにつながり得るものでもあります。
 こうしたことから、今後も引き続き中長期的視点に立ち、社会情勢や財政状況等を勘案しつつ、適切な都債活用に努めてまいります。

〇おときた委員 やはり、主には世代間の受益負担一致論に立っているということかと思います。
 建設公債についてはこの考え方をとることに一定の理解はできますが、それ以外の公債はどうでしょうか。建設公債以外のものを発行した場合、この一致論は崩れることになります。
 そこで、都は、これまでに社会資本ストックの財源でない建設公債以外の起債を行っているのかを伺います。

〇中井財務局長 私どもとしましては、先ほどご説明いたしましたとおり、いわゆる将来負担と受益の一致論、それだけを理由に起債をしているわけではないということは、重ねて申し上げておきたいと思います。
 お尋ねの件でございますが、平成二十七年度予算における都債は四千四百九十五億円を計上しており、全て地方財政法第五条に基づき、投資的経費の財源として活用しております。
 一方、地方財政法第五条の特例として、投資的経費以外にも充当できる特別な起債については、平成六年度以降、住民税等の減税が行われた際に、地方自治体の減収分の振りかわりとして国が措置した減税補填債等がございましたが、都は、当時の厳しい財政状況に鑑み、都民サービスを維持するために不可欠であるとの判断から、これを臨時的に発行いたしました。
 なお、減税補填債等の発行は平成十七年度までであり、以降は発行いたしておりません。平成二十七年度末におけるこの減税補填債等の現在高見込み額は、二千九百四十四億円となっております。

〇おときた委員 減税補填債の方も広義には一種の赤字公債に含まれますから、厳密には公債による受益と負担の一致論は既に崩れているとも考えられます。もちろん、それだけが理由で発行していないということは存じた上で進めさせていただきますが、一方で、都は将来世代に向けた基金を積み立てており、今年度は特に各局予算にさまざまな名目の基金が計上されております。
 将来世代のために基金を残すことは全く否定するものではなく、むしろ肯定的に捉えてはいるのですが、現在の世代のみの負担で将来世代が恩恵をあずかれる可能性が高い基金の存在は、まさに建設公債が忌避するところの負担なき受益を生み出すものともいえます。
 一方で、受益と負担の一致論から、建設公債を発行して借金をしながら、また一方では、将来世代のために基金という形で貯金をしておく。これは一見すると、財政におけるダブルスタンダードとも見てとれますが、これはどのような考え方に基づくものなのでしょうか、伺います。

〇中井財務局長 まず、都債は、特例的なものを除けば、建設事業等に充てることが基本となっておりますことから、その活用の幅は限定的にならざるを得ないところがございます。
 一方で、税収の減少や将来生じる多額の財政需要に柔軟に対応し、年度間の財政調整機能を果たす基金は、起債とは違いまして、法令等の制約を受けることなく、都独自の判断で設置、支出ができることから、財政の弾力性を確保する上で非常に有用な役割を果たしているといえます。
 とりわけ、景気変動の影響を受けやすく、さらに地方交付税の不交付団体であるという都の特性を踏まえれば、財源として活用可能な基金は、都財政にとって欠かすことのできない極めて重要なものでございます。
 いずれにいたしましても、都債と基金のそれぞれの機能を組み合わせ、両者を適切に活用することが、健全な財政運営にとって必要なことと考えております。

〇おときた委員 基金には、公債とは別の役割があるということで、今回の予算案では、特に税収の増加を反映して、さまざまな名目の基金が計上されています。この一つ一つに言及する時間はありませんが、ともすればこの基金は、余剰のあるお金をとりあえず積んでおくというようにも見られかねません。
 この金額の妥当性を推しはかるのは、都民目線ではもちろん、財政に知識がある者でも非常に困難ではないでしょうか。一定の理論に基づいてこの基金の金額が決定されているとすれば、それはどのような根拠に基づくものなのでしょうか。都民はこの基金の金額の妥当性についてどのように判断すればよいのでしょうか、お聞かせください。

〇中井財務局長 今回新たに創設いたしました七つの基金は、福祉先進都市や水素社会の実現など、二〇二〇年とその先の未来に向け、今後集中的、重点的に取り組むべき施策を、景気の動向等にかかわらず着実に実施していくために、財政的な裏づけを講じたものであります。これにより、それぞれの基金の目的としている事業の実現が、基金を設置しなかった場合に比べ、確実に向上するものと考えております。
 また、都税収入が過去一年間で約一兆円の大幅な減収に見舞われた経験を踏まえると、都政においては、長期的な視点を持って財政運営を行うことが必要であります。
 こうした観点に立ち、今回の予算編成においては、財源として活用可能な基金を平成二十七年度末で九千八百八十億円確保したところでございます。

〇おときた委員 予算がつけられた重点施策については、今後もしっかりと行方を見定めていきたいと思います。
 最後になりますが、都債と基金、あらゆる財政的手段を用いながら、最も大切なことは、将来世代に不安とツケを残さない、持続性のある財政運営を行うことだと思います。特に我々若い世代の間には政治的不信が広がっており、財政的にも明るい展望はなかなか持てておりません。
 不安定な税収に左右され、今後は人口減少にも直面する東京都の財政を、多額の都債をいまだに抱えながらどのように運営をなさるのか。将来世代が希望の持てる財政運営に向けて、知事の決意を最後にお聞かせください。

〇舛添知事 不安定な税収構造にあります都財政におきましては、景気の変動による税収減や将来の財政需要に備えまして、都債や基金をそれぞれの機能に合わせて適切に活用していくことが必要不可欠でございます。
 今後とも、事業評価などを活用しまして、都庁の自己改革力の一層の向上を図るとともに、都債や基金を効果的に活用して、世界一の都市東京の実現を支える健全な財政運営に努めてまいります。

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おときた駿

おときた駿 プロフィール
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 33歳
1983年生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。

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